社内外横断による専門的なプロジェクトチーム「美術回路」を立ち上げ、これまで多様なアートのプログラムを創出してきたNPO法人アーツイニシアティヴトウキョウ[AIT/エイト]、東京理科大学経営学部大西研究室など、アート・イン・ビジネスにおいて実績および知見のあるさまざまな事業者や研究者と連携しながら、経験に基づいた効果的な実践法の構築を支援する。
近年ビジネス界では、アートへの注目がますます高まっており、より具体的にアートをビジネスに取り入れていこうとする実践段階を迎えている。そうした背景の中、美術回路は、「アートがビジネスにどのような効果を及ぼすか」について事例研究や定量調査を実施し、その仕組みを体系的に整理した。
これらの研究成果に基づき開発されたのが、アートをビジネスシーンに取り入れていくための実践プログラム「アート・イン・ビジネス プログラム」。漠然と問題意識を持ったビジネスパーソンが、現代的なテーマで問題提起をする同世代のアートに触れることで、新しい物事の捉え方や想像力・発想力を刺激し、中長期的な視点で戦略的に「ブランディング」「イノベーション」「組織活性化」「ヴィジョン構想」といった多元的なアート効果を生み出していくプログラムだとしている。
アート・イン・ビジネス プログラム
「アート・イン・ビジネス プログラム」は、「内在化プロセス」と「実践プロセス」に分かれている。まず、「内在化プロセス」においては、ビジネスパーソンの問題意識を起点に、アート体験からの気づきを通じて、アーティストの創作の原動力である4つのアートパワー(問題提起力、想像力、実践力、共創力)を各個人に内在化し、取り組むべきテーマを設定する。「実践プロセス」においては、経営資源に即したアートの多様な実践プラン(with: アートと共にある活動、by: アートによって新しい仕掛けを作る活動、for: アートのために応援する活動)を組み合わせていく。そして、継続的活動の結果として、組織におけるアート内在化調査などを実施することで効果測定を行うとしている。