本調査は、電通グループの海外連結子会社で米国事業を統括するDentsu Aegis Network US Holdingsが米国において、新型コロナウイルスによる生活者意識の変化を今年3月下旬から4月下旬にかけて5回にわたり調査したものと同じ内容を日本国内でも調査したもので、前回の4月下旬に引き続き、日本での第2回目の調査を5月中旬に行った調査。
第2回調査の主なファインディングス
- 生活者の心理について、日本は「順応・適応」以降の段階への移行が23ポイント増えて42%に。米国の49%に比べて低いものの、前回よりも「順応・適応」に向かっている。
- 生活者のネガティブに振れた感情が正常に戻りつつあり、「周囲への感謝」「自分のペースが保てている」は米国よりも高い。一方でストレスは、前回に引き続き高い。
- 気になっていることは「収束時期」が引き続き首位。前回に比べ「医療崩壊」「家族や友人の新型ウイルス感染」などが減少し、相対的に「日本の景気」への懸念が2位に浮上。
- 不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なものは、日米ともに「ワクチンが開発され 利用可能になること」がトップ。日本では82%、米国では56%を占める。
詳細結果
1:生活者の心理を5つのステージで調査。日本でステージ3以降が23ポイント増え42%に。米国の49%よりも低いものの、「順応・適応」に向かっている。
- 新型コロナウイルスの影響下における生活者の心理変容を5つのステージで捉えて傾向を把握。今回も前回に続いて第2ステージ「変化への対応」が44%と最も高いものの、前回より11ポイント減少。ステージ3「順応・適応」が28%、ステージ4「収束の兆し」が11%とそれぞれ 10ポイント以上増加した。
- 米国においてもステージ3「順応・適応」以降へ移行する人が前回より3ポイント増加。
質問:新型コロナウイルスの感染拡大のような公衆衛生上の危機に面した時、人々の気持ちの変化にはいくつかの 「ステージ」があると言われています。今回の新型コロナウイルスの感染拡大があなたの日常生活にどのような影響を与えたかを考えていただき、現在のあなたの状況に最も当てはまるものを1つお選びください。
2:生活者の感情もネガティブに振れた感情が正常に戻りつつあり、「周囲への感謝」「自分のペースを保てている」は米国よりも高い。一方でストレスは、前回に引き続き高い。
- 日本は「ストレスを感じる」が最多。前回日米差が大きかった「悲観的」や「無力感」は、今回大幅に改善し、米国に近い水準に。
- ネガティブな項目(図表内左側)のうち、今回の日本よりも米国で強いのは「孤独」「周囲への怒りを感じる」「状況に圧倒される」の3項目となった。
質問:新型コロナウイルスが拡がりを見せる中であなたが感じているものを、それぞれお選びください。
3:気になっていることは「収束時期」が引き続き首位だが、前回に比べ「医療崩壊」「家族や友人の新型ウイルス感染」などが減少。相対的に「日本の景気」への懸念が2位に浮上。
- 日本では前回上位に挙がったほぼすべての項目でスコアが低下。特に減少幅が大きかったのは「医療崩壊」(-19ポイント)「家族や友人の新型ウイルス感染」「自分の心身の健康」「医療機関の対応」(各-13ポイント)。相対的に「日本の景気」が懸念事項の2位に浮上した。
- 米国においては「米国の景気」が47%と最も高く、次いで「家族や友人の新型コロナウイルス感染」となっている。
質問:現在、気になっていることは何ですか。該当するものをすべてお選びください。
4:不安や不自由なく日常生活に戻るのに必要なものは、日米ともに「ワクチンが開発 され、利用可能になること」がトップ。日本では82%、米国では56%を占める。
- 日米共に上位3つは「ワクチンが開発され、利用可能になること」「感染者数が減ること」「新規の感染者が出なくなること」。
- 特に日本は「ワクチンが開発され、利用可能になること」が26ポイント、「新規の感染者が出なくなること」が18ポイント、それぞれ米国よりも高くなった。
- 米国は「WHOや国の研究機関等が、規制・自粛を緩和しても安全であると確認すること」が42%と日本の26%よりも16ポイント高い結果となり、公的機関の判断を頼る傾向が伺えた。
質問:不安や不自由を感じることなく通常の生活に戻るためには、何が必要だと思いますか。あてはまるものを全てお選びください。