エクサウィザーズは、4月22日と5月8日にも新型コロナに関するアンケートを企業に実施。4月のアンケートでは、多くの企業が「新型コロナの会社への影響は1年以上続く」と回答したほか、業務のリモート化は進んでいる一方で「本格的なDX推進・AI活用は2割」にとどまることがわかっている。
また5月のアンケートでは、コロナ禍で約7割の企業が「売上高2〜4割減」、9割が「営業活動に遅れ」、3割強が「経営戦略の見直しに着手」と「積極投資を計画」をするも、DX推進ができている「DX先行派」企業はわずか3%にとどまることが明らかになった。
今回実施した6月のアンケートでは、7割の企業が「会社へのコロナの影響は2021年以降も続く」と回答。同設問の回答結果を5月のアンケート結果と比較すると、緊急事態宣言が解除された中でも、影響長期化の回答が16%増加する結果だった。一方で、経営層による「DX推進」や「経営戦略見直し」の動きも増加傾向にあり、長期化する影響に向けて各企業が事業変革の取り組みにも着手を進めていることがわかった。
コロナの影響がいつ頃まで続くかについての回答で最も多かったのは「2021年6月まで」で29%、続いて「2021年12月まで」が26%、「2020年12月まで」が24%、「2022年12月まで」が9%、「2024年以降も続く」が6%、「2020年6月まで」と「影響なし」がそれぞれ2%、「2023年12月まで」が1%だった。「2021年以降」と回答した割合は計72%(前月比16%増)にのぼり、影響の長期化を懸念する企業が増えていることがわかった。
Afterコロナに向けて取り組んでいること(取り組もうと思っていること)について、経営層からの回答では「DXプロジェクト開始/推進」が42%(前月比16%増)、「経営戦略の見直し・シナリオプランニング」が63%(前月比3%増)となり、経営層が「DXプロジェクト」や「経営戦略見直し」の動きを加速していることがわかったという。
コロナの影響により会社で変化が起こる領域について、経営層からの回答で最も多かったのは「ビジネスモデル」で、79%(前月比2%増)。「顧客行動の変化」も71%(前月比5%増)となり、社外の変化により目を向けていることがわかる。一方で、「社内組織体制」は8%(前月比22%減)、「社内業務プロセス」は46%(前月比18%減)、「働き方」は79%(前月比12%減)となり、社内の変化に対する経営層の注目度は低下していることもわかった。
コロナ対策として会社で実施されているものについて、「経営トップからのメッセージ」が77%(前月比11%減)、「コロナ対策室の設置」が27%(前月比15%減)になり、WithコロナのTo Do(短期的に取り組むべきタスク)は落ち着き始めていることが明らかになった。一方で、「アフターコロナ時代のビジョンを見据えた取り組み」は56%(前月比6%増)となり、AfterコロナのTo Be(長期的にあるべき事業変革)に注力する企業が増えていることがわかった。
Afterコロナに向けた取り組みについて、選択した取り組みの数(最大6つ)を業界別に見ると、5つ以上の取り組みを行う企業の割合が製造業で23%(前月比12%増)、情報・通信で26%(前月比19%増)となり、これらの業界ではAfterコロナの取り組みが進展していることがわかった。一方、サービス業では5つ以上の取り組みを行う企業の割合が9%(前月比1%減)にとどまり、依然として26%の企業が0〜1つの取り組みしか行っておらず、Afterコロナの取り組みに遅れをとっていることがわかったという。