日本の小売流通業界にリテールAIを導入し変革をもたらすため、トライアルはこれまでも「スマートショッピングカート」やAIカメラ等のデバイス開発、これらを活用した九州でのスマートストアの展開、メーカー・物流会社等との取り組みを行ってきた。
2019年11月には、リテールAIの普及を目指す5社と「リテールAIプラットフォームプロジェクト『リアイル』」を結成。2020年2月に記者発表会を行い、各社は今後の取り組みを発表した。今回リニューアルオープンするトライアル長沼店は、同プロジェクトの旗艦店として機能。『リアイル』参画企業の各社が同店舗を中心にリテールAIを活用した様々な取り組みを展開していく予定。
リテールAIプラットフォームプロジェクト『リアイル』とは
流通小売業界へリテールAIの導入を推進する、店舗・メーカー・卸・物流の垣根を超えた業界初のハイブリッドプロジェクト。小売に関わる様々な立場の企業が団結し、企業がお互いの強みを持ちよりデータを共有していくことで、プラットフォームが成立しエコシステムが成立。リテールAIを活用した「情報流通革命」を起こすべく、様々な取り組みを行っている。
トライアル長沼店における『リアイル』各社の取り組み
- サントリー酒類:酒カテゴリー及び併売カテゴリーにおける売上分析、人流データ等を基にした、スマートショッピングカート・サイネージを活用したスマートかつ楽しい買い物体験とライフスタイルの提供
- トライアルカンパニー:トライアル長沼店の運営及びリテールAI技術の研究・提供
- 日本アクセス:洋日配カテゴリーにおけるクーポンを発行しスマートショッピングカートのタブレットに表示する、非接触をキーワードとした購買体験の提供
- 日本ハム:商圏に合わせたライフスタイル提案とお客様の好みにあわせたダイレクトマーケティングを実施
- フクシマガリレイ:AI冷蔵ショーケースの設置及びリテールAI技術の外販
- ムロオ:リテールAI技術を活用したメーカー、小売、卸の共同配送センターの設置
トライアル長沼店に実装されるリテールAI
セルフレジ機能を搭載した「スマートショッピングカート」
カートに付属するタブレット端末を操作することで、通常のレジをスルーし、ボタン一つで会計を済ませることで、レジ待ち時間を解消するとともに、小売業のレジスタッフの人手不足を解消に寄与。また、売場でスキャンした商品に応じたレコメンド機能やその場で使えるクーポンの表示することで、新たな買い物の仕方を提案する。既に19店舗で計約2,000台のスマートショッピングカートが導入・運用されているが、トライアル長沼店導入のモデルでは、新たにレシピ機能を追加。売り場でスキャンした商品情報に合わせたレシピ提案をしてくれる。
AIカメラ
トライアルグループが独自開発した、世界初の小売に特化したAIカメラで、現在6店舗で計2400台が稼働中。人物カウントや商品認識等の小売に特化したAIを搭載しており、商品棚の欠品情報や店内の人の流れをデータ化し分析。
集まったデータは欠品を起こしにくい「商品棚づくり」や、人流の研究等より良い店内環境づくりの為に役立てられている。トライアル長沼店では、688台のAIカメラが導入される予定。