IPランドスケープは「知財分野のDX」である
「IPランドスケープは、「知財DX」すなわち知財分野のデジタル・トランスフォーメーションである」
DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉は、数年前からあらゆるビジネスにおけるキーワードとなっていたが、コロナ禍において、その普及や導入はさらに加速していると言えよう。
DXの定義は論者によって様々ではあるが、例えば紙の書類を電子ファイルに変えるような単なる「デジタル化(デジタライゼーション)」とは異なる。
実は、知財の世界、特に特許に関しては早くからこのデジタル化が行われており、行政の中でも特許庁におけるデジタル化は圧倒的に早く推進されてきた。驚くべきことにIT革命(1995年)からさかのぼること11年も前の1984年には「ペーパレス計画」を樹立し、1990年には既に「世界初」となる電子出願システムを導入している。そして今から15年も前の2005年からはインターネット出願ができるようになっている。つまり、DX=デジタル化という定義なら、知財の世界では既に25年前に行われていたことになる。
ここでDX(デジタル・トランスフォーメーション)の意義について様々な論者の説明の最大公約数を取れば、概ね「デジタル技術を利用して既存の仕組み(業務・提供物・ビジネスモデル等)を変革し,新しい価値を生み出し、競争優位を確立すること」であると言えよう。
その意味でのIPランドスケープは、このDXの定義に当てはまる。なぜなら、IPランドスケープでは、知財、特に特許データの情報分析を利用し知財部の従来の「守り」中心の業務を変革し、経営戦略や事業戦略の立案に直接的に貢献するという新しい価値を提供する「攻め」に相当する業務だからである。