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経営戦略としての知財

新規事業やM&A、経営分析に活用する「IPランドスケープ」とは何か、なぜ知財分野のDXなのか?

第2回

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 前回は、(1)経営戦略や事業戦略の「立案時」における知財の重要性に気づいていない日本企業が多い点、(2)知財について知財部門任せで、結果として経営・事業部門と知財部門の距離が遠い点、(3)その距離を縮めて両者の連携・連動を可能にするのが「IPランドスケープ」という概念であるという3つの点について述べた。  しかし、「IPランドスケープ」という概念はやや分かりにくい面もあり、経営者、事業責任者どころか、肝心の知財部門の責任者でも明快に説明できる者が少ないのが現状である。そこで、今回はその「IPランドスケープ」とは何かについて解説する。

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IPランドスケープは「知財分野のDX」である

「IPランドスケープは、「知財DX」すなわち知財分野のデジタル・トランスフォーメーションである」

 DX(デジタル・トランスフォーメーション)という言葉は、数年前からあらゆるビジネスにおけるキーワードとなっていたが、コロナ禍において、その普及や導入はさらに加速していると言えよう。

 DXの定義は論者によって様々ではあるが、例えば紙の書類を電子ファイルに変えるような単なる「デジタル化(デジタライゼーション)」とは異なる。

 実は、知財の世界、特に特許に関しては早くからこのデジタル化が行われており、行政の中でも特許庁におけるデジタル化は圧倒的に早く推進されてきた。驚くべきことにIT革命(1995年)からさかのぼること11年も前の1984年には「ペーパレス計画」を樹立し、1990年には既に「世界初」となる電子出願システムを導入している。そして今から15年も前の2005年からはインターネット出願ができるようになっている。つまり、DX=デジタル化という定義なら、知財の世界では既に25年前に行われていたことになる。

 ここでDX(デジタル・トランスフォーメーション)の意義について様々な論者の説明の最大公約数を取れば、概ね「デジタル技術を利用して既存の仕組み(業務・提供物・ビジネスモデル等)を変革し,新しい価値を生み出し、競争優位を確立すること」であると言えよう。

 その意味でのIPランドスケープは、このDXの定義に当てはまる。なぜなら、IPランドスケープでは、知財、特に特許データの情報分析を利用し知財部の従来の「守り」中心の業務を変革し、経営戦略や事業戦略の立案に直接的に貢献するという新しい価値を提供する「攻め」に相当する業務だからである。

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この記事の著者

杉光 一成(スギミツ カズナリ)

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