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行動経済学をビジネス実務に落とし込む

行動経済学の27の理論を実務家目線で整理する──全体像を掴む“4つのカテゴリー”

第2回

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生活者の“選択”や“判断”を左右する理論

2.「先よりも今」「得よりも損」を過大に評価してしまう

 生活者は、利益を得られそうな場面があると、「リスクをともなうが理論的には最大値を得られる選択」よりも、「理論的に最大値でなくてもリスクの少ない選択」をする傾向があります。高価なものが当たる抽選券と普通のものが貰える引換券の2択では、後者の方が選ばれる傾向にあるのです。

 反対に、損失が生じそうな場面では、簡単に損切りせず、リスクを追ってでも何とか回避することを優先しようとします。人は、「得をすること」よりも「損をすること」に過剰なまでに反応してしまうのです。たとえば、「この商品を使えば、〇〇のようなメリットがあります」というメリット型の訴求よりも、「この商品を使わなければ、〇〇のようなリスクがありますよ」というリスク型の訴求の方が大きな反響を得られることが多分にあります。

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この記事の著者

楠本 和矢(クスモト カズヤ)

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