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デロイトトーマツが語る、移動とクルマへの意識の変化と、ポストコロナのモビリティ企業に向けた4つの示唆

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 デロイト トーマツは、9月10日に「ポストコロナ・ニューノーマルの移動・働き方の変化」と題したオンライン記者説明会を開催。その中から、デロイト トーマツ コンサルティング合同会社 自動車セクター アソシエイトディレクターの後石原 大治氏による「Post COVID-19 の移動に関する消費者意識調査の解説」の様子をお届けする。  デロイト トーマツ コンサルティングは今年6月、全国約3,000人を対象に、1年後の移動・クルマに対する意識調査を実施し、8月には「ポストコロナの移動に関する意向調査」というレポートにまとめている。後石原氏は、このレポートでまとめた「移動」と「クルマ」に関する意識の変化について、同社が2018年にも実施した調査と比較しつつ説明し、モビリティ関連企業に向けた示唆としてまとめていった。

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コロナ前後の調査結果にみる「移動」に関する意識の変化

 まずは「移動に関する意識の変化」について、後石原氏は「移動量」「移動目的」「移動手段」「移動ニーズ」の4つから、ポストコロナ時代における移動の在り方を紐解いていく。

 「移動量」について今回の調査で約1年後の想定として見えてきたのが、高齢層よりも若年層、大都市よりも地方の方が、移動量が大きいということだという。全体での1人あたりの年間移動量は約4万キロメートルだが、年代別でみると、18~29歳が60歳以上の約2.6倍の約74,527キロメートル、エリア別でみると、地方都市(政令指定都市を除く)が3大都市(東京・大阪・名古屋)の約1.9倍となる54,585キロメートルという移動量になる。後石原氏は、ポストコロナ時代に移動量の減少が予想される中、若年層や地方居住者が移動の担い手の中心になるのだと話す。

 続いて「移動の目的」では、通勤や出張、業務上の移動などの「公的な目的」と、買い物や外食、観光のようなプライベートな移動である「私的な目的」の2つにわけることができる。2018年の調査と今回の調査を比較すると、「公的な目的」の移動が大きく減少し、相対的にプライベートでの移動割合が増加しているという結果となった。これは、リモートワークの普及によって通勤頻度が減ったり、オンライン会議や商談が増えたりすることで、公的な移動が減少すると予想されているのだという。実際「通勤目的の1年後の想定外出頻度」をみると、約25%が1年後にはリモートワークで通勤頻度が減るという回答だった。

 後石原氏は次に、「移動手段」について話す。COVID-19による最も大きな変化は、2018年に37%だった電車の割合が、今回の調査では25.5%まで低下している点だ。加えてマイカー利用の割合も微減しており、2018年まで8割超を占めていた2つの移動手段が7割弱にまで割合を下げ、レンタカーやカーシェア、自転車や徒歩といったいわゆる“第3の移動手段”の増加が予想されている。年代ごとにみると、20代では自動二輪車、50代では自転車の割合が増加している。後石原氏は、COVID-19の影響がでつつ、健康志向も現れているのではないかと分析する。地域別の移動手段でみると、3大都市では電車が大きく減少しているが、それを補うほどマイカーが増加しているわけではなく、第3の移動手段が増えている傾向にある。一方で地方都市では電車の割合が微増している。「電車=密」というのは都市部のイメージであり、地方ではインフラの発展とともに電車の割合は増えていくと話した。

 最後に、ユーザーが移動する際に求める「移動ニーズ」について解説した。2018年には、「安心」「安全性」「乗り換えなし」「快適」「時間通り」を重視する人が多かったが、今回の調査では「安心」の割合が大幅に増加し、他のものは軒並みマイナスになっている。また、新たなニーズとして「3密回避」がでてきており、「安心」に次いで2番目に重視されていることがわかった。後石原氏は、通勤通学などの公的な移動では、「時間通り」が最も重要とされてきた。しかし、ある程度時間が度外視してでも「安心」を重視する人が増えてきているではないかと話す。

 また、移動情報などの個人情報に関する認識変化についても紹介した。これまでも、目的を定めているのであれば個人情報の利活用に賛成するという人が2割弱いた。今回のCOVID-19を契機に、賛成は4割強にまで増加している。国によっては個人情報の扱いに対する批判も生まれてはいるが、利用目的の明示さえあれば受け入れられつつある日本での現状は、企業にとっての新たなビジネスチャンスではないかと後石原氏は語った。

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