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DX JAPAN植野氏が説く、顧客起点と脱・サイロ化による小売DX──なぜDX推進組織は失敗するのか

Biz/Zine Day 2020 Autumn レポートVol.4:DX JAPAN 植野大輔氏

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 コロナ以前から人口減少など社会基盤の変化により、大きな変革を求められていた小売業界。ニューノーマル時代へ向けて挑まなければならない真の変革のカギとなるのが“デジタル”である一方、DXの本質が何なのかはあまり正しく捉えられていない。「Withコロナ時代のサプライチェーン革命」をテーマに開催した「Biz/Zine Day 2020 Autumn」では、ファミリーマートでゼロからデジタル組織を立ち上げ、ファミペイを中心とするDXを指揮したDX JAPAN代表の植野 大輔氏が登壇。「Withコロナ時代の小売企業が挑むべきデジタル変革」と題した講演で、小売業界の真のDXの可能性について語った。

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なぜファミリーマートは「ファミペイ」の導入に踏み切ったのか

 DXを成功させるうえで重要なポイントは「顧客起点」と「DX組織」の2つだと、DX JAPAN代表の植野氏は断言する。

 2020年3月にDX JAPANを設立し、様々な企業のDXをサポートしている植野氏。かつてファミリーマートで「ファミペイ」をわずか8か月でゼロから立ち上げた経験を持つ。このファミペイのサービス導入の中に小売企業が挑むべきDXのヒントがあると植野氏は語る。

 当時、乱立する他の「○○Pay」サービスがキャンペーンによる販売促進で軒並み大赤字の中、後発でかつ店舗を中心とした“アナログ企業”であるファミリーマートの「ファミペイ」は初日で161万ダウンロード、8か月で500万ダウンロードを達成。さらに2019年のApp of the year(アプリ オブ・ザ・イヤー 最優秀賞)を受賞し、デジタル顧客基盤の確立に成功した。

 なぜわざわざリスクを取ってまで、ファミリーマートはデジタルへ移行する必要があったのか。ファミリーマートが取ったデジタル戦略を植野氏は次のように解説した。

 ファミリーマートは、Tポイント等の他社ポイントサービスや、他社バーコード決済サービスを積極的に取り入れるオープン主義の方針を取っている。しかし全てを他社プラットフォームに頼ることは、ファミリーマートが自社の顧客基盤を持たず、デジタル上で顧客とつながれていないことを意味する。

 そこで自社の顧客基盤確立のため、「ファミペイ」の導入に踏み切った。「ファミペイ」を全国1万6500店舗あるファミリーマートの店舗だけでなく、外部のEコマースサイトや店舗も利用可能とし、それらの購買履歴をストックすることがファミリーマートのDXの核。つまり、オープンプラットフォームとして顧客の購買履歴をIDで紐づけたビックデータを蓄積し、金融サービスや広告マーケティングなど、新規事業領域の創出を目指すことがファミリーマートのデジタル戦略だと植野氏は説明する。

 実際に新事業の事例として、今年9月にファミリーマート・伊藤忠商事・NTTドコモ・サイバーエージェントの4社でジョイントベンチャーを立ち上げ、購買履歴に基づくデジタル広告を顧客に応じて配信するという新サービスの展開が発表された。

 小売業者は細々とした部分的なデジタル活用ではなく、大きくデジタル戦略の全体像を描き、本業の強化と新事業への挑戦の両立を目指してDXに取り組む必要があると植野氏は強調する。

ファミペイ

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