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事業開発の課題はアイデア創出より選択と集中──CI技術による多数決での “目利き力”の重み付けとは?

INNOVATION DRIVE 2020セミナーレポート:後編

 環境変化の激しい時代に、多くの企業がイノベーションを起こそうとしている。そんな中、VISITS Technologies株式会社は「イノベーションの生まれる原理」を科学的なアプローチで解き明かし、誰もがイノベーションを起こせるようにするプラットフォーム、インフラづくりを目指している。
 そのVISITS Technologies株式会社が、2020年12月8日「イノベーション加速体感イベント INNOVATION DRIVE 2020」をオンラインで開催した。そのイベントから、同社ディレクターの吉村由宇氏が行ったサービスコンセプト創出の体験ワークショップと、データサイエンティスト村尾 一真氏が行った、意思決定のスピードUPとコスト削減を達成する同社の特許技術「CI技術」、ならびに同社のアイデア創出クラウド「ideagram(アイデアグラム)」を導入した三菱地所株式会社の事例を紹介する。

[公開日]

[講演者] 吉村 由宇 村尾 一真 沖野 周一 [取材・構成] フェリックス清香 [編] 栗原 茂(Biz/Zine編集部)

[タグ] 事業開発 企業戦略 イノベーション

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登壇者紹介

  • 吉村 由宇氏(VISITS Technologies株式会社 ディレクター)

事業アイデア創出より困難な、アイデアの選択と集中

 VISITS Technologies株式会社はイノベーションを起こすために必要とされるさまざまなプロダクトを提供しているが、目指すのは「イノベーションを起こす仕組み」そのものの提供である。イベントでは、同社ディレクター吉村 由宇氏はイノベーションの加速体験として、企業向けのイノベーション創発支援で最初に行う「アイデア発散」「サービスコンセプト創出」の模擬ワークショップを行った。

CI技術

 イノベーションとは、経済学者のヨーゼフ・シュンペーター氏によれば「新結合」である。これまで組み合わせたことのなかったもの同士を結合させると、イノベーションが生まれるというものだ。また、イノベーションを考える際、「何をやるか(What)」や「どうやるか(How)」の前に考えるべきは、「なぜユーザーが必要とするのか(Why)」である。顧客の視点に立って、徹底的に考えることが重要だ。

 デモとして行われたイノベーション創出ワークショップで考えたのは、新しいスマートシティを作ることがテーマになった場合、どんな新しいユーザー体験、新しいコンセプトがありえるかである。

 まず3分間で、自宅、オフィス、コンビニそれぞれの提供価値をユーザーの立場で考え、「○○できる」「○○しなくてよい」という記載方法でチャット欄に書き込んだ。書き込まれたそれぞれの提供価値は以下のようなものがある。

【自宅】

  • 所有欲が満たされる
  • 自分の拠点を具現化できる
  • 自分のよく使うものを所有できる
  • 他人の目がない
  • リラックスできる
  • 家賃が上がらない

【オフィス】

  • 近くの同僚と会話ができる
  • 真面目になれる、仕事のみに集中できる
  • チームメートとの雑談ができる
  • 仕事道具がある
  • 上司とのコミュニケーションが可能
  • 顔を合わせたコミュニケーション
  • セレンディピティがある
  • 仕事の後の一杯がやりやすい

【コンビニ】

  • いつでも商品を買える
  • いつでも人がいる
  • いつでも明るい、電気がついてほっとする
  • 割高だがだいたい買える
  • ホットスナックがおいしい
  • 現物を見ながら買える
  • Wi-Fiが使える
  • 雑誌コーナーを見れば何が流行っているかわかる
  • 空調が効いている

 次いで、「自宅+コンビニの○○という価値→○○できる自宅」といった具合に2つの提供価値を組み合わせて、統合した新しいサービスを考えるワークを行った。書き込まれたのは以下のようなものである。

  • だらけることが可能なオフィス
  • オフィスグリコ的な置き菓子がある自宅
  • コワーキングオフィス化したコンビニ
  • 泊まれるコンビニ
  • 時間貸しのホテル
  • 家族以外がたまに働いている自宅

 ユーザーにどんな「ペイン(痛み)」があり、それをどうやって、どんな「ソリューション」で解決していくのか。そのエッセンスを体感するワークだった。

 ただ、実際の新規事業開発、イノベーションの場では、アイデア創出よりも、何を選出し、集中するかの意思決定が困難なことが多い。その意思決定に寄与するものがVISITS Technologiesの特許技術、CI技術である。

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