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デジタル技術の活用による行動変容

デジタル技術の応用がもたらした行動科学の倫理的な課題──企業の事例で考える善悪の境界線

第6回

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デジタル×行動科学を政治に応用することが問題視される理由

 まず、精度の高いデジタル技術を活用した行動科学の応用先が“政治”という個人の思想に深く関わる内容であったことが、決定的な倫理的懸念につながっています。人は常に目にする光景や耳にする言葉、他人の行動や考えに影響され、認知や行動が変化していきます。デジタルを活用した巧妙なマイクロターゲティングは、被介入者が介入されたことを気づく余地が少なく、かつ影響を及ぼす精度が高いため、食事やファッションといった思想性の弱いものでは許容されても、政治のような主義・思想が関わるものは、個人の思想の自由を侵害しているとみなされ許容するのが難しくなります。

 また、上記の前提となる論点として、個人情報を取得する際の情報開示と同意の問題もあります。個人情報の共有について同意があったかどうか、また、同意を得る際に、個人情報が選挙運動に活用されると明確に伝えられたがどうかが重要です。利用目的が明確にされていなかった場合、結果として利用者の意図しない形で個人情報が活用されてしまったという点が問題となります。2020年末、Appleが全アプリに対して個人情報利用状況・用途の開示を義務化し話題となりましたが、個人情報利活用の同意に関する問題は選挙運動に関わらず今後の大きな論点となると考えられます。

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この記事の著者

藤井 篤之(フジイ シゲユキ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

一宮 恵(イチミヤ メグミ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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