ユニリーバは、ダヴ、ライフボーイ、アックス、サンシルクなどのビューティ&パーソナルケアブランドを展開する企業として、「ポジティブビューティ」のビジョンの下、先進的なコミットメントとアクションを設定。公平で、インクルーシブで、地球にとってサステナブルな、新しい美しさの時代を切り拓いていくことを目指すとしている。 「ポジティブビューティ」は、ユニリーバのワールドクラスのイノベーションと技術を活かし、製品設計や処方の変革を進めることで、人々にとっても地球にとってもより良い製品を生み出し、卓越した製品体験を提供し、消費者トレンドに応えていくもの。
「ノーマル」という言葉をなくすことは、美しさの定義を広げ、差別をなくし、よりインクルーシブな「美しさ」のビジョンを広めていく多くのアクションのうちの一つだとしている。ビューティケア業界に対する意識や経験を調べたグローバル調査では、肌や髪に「ノーマル」という表現が使われることに、大多数の人々が疎外感を感じていることが分かったのだという。
この調査は、9か国で1万人を対象に実施された。主な結果は以下の通り。
- 半数以上(56%)が「ビューティ&パーソナルケア業界は人々に疎外感を抱かせる」と回答。
- 10人に7人以上(74%)が「ビューティ&パーソナルケア業界は、単に外見を良くすることではなく、人々がより心地よくいられることを重視してほしい」と回答。
- 半数以上(52%)が「製品を購入する際、その企業の社会問題への姿勢に注目している」と回答。
- 10人に7人が「製品のパッケージや広告にある『ノーマル』」という言葉が人々に悪い影響を与えている」と回答。この数字は18~35歳では10人に8人にも上る。
ユニリーバは、「ノーマル」という言葉を使わないだけではなく、ブランドの広告において体型、サイズ、プロポーション、または肌の色にデジタル修正を行いこと、またマイノリティ・グループの人々を起用した広告件数を増やしていくとも述べている。
人々と地球に対するコミットメント
「ポジティブビューティ」は、人々と地球のために、良くないことを減らすだけでなく、もっと良いことをすることを目指すもの。「ノーマル」という言葉をパッケージや広告からなくすという決断は、ブランドを通じて本質的で測定可能な変化を生み出すためにユニリーバが掲げた3つのコミットメントの中の1つのアクションにすぎない、という。
1. 健康とウェルビーイングを改善し、公平とインクルージョンを推進するための行動を通して、2030年までに毎年10億人に働きかけていく。その際、以下の点に重点を置く。
- 美しさの理想を広げ、よりインクルーシブな製品ポートフォリオを育てることで、美しさにおける差別に終止符を打ち、インク-ジョンを推進します。
- 広告におけるステレオタイプをなくし、現状に疑問を投げかけるブランドプログラムを強化することで、ジェンダー平等を推進する。
- 正しい手洗いや歯みがきを啓発する既存の教育プログラムに加え、心身のウェルビーイングを高めるという新しい分野にも重点を置くことで、健康とウェルビーイングを改善する。
2. 2030年までに150万ヘクタールの土壌、森林、海洋の保護と再生を支援していく。
ユニリーバのビューティ&パーソナルケア製品に使う再生可能な原料を育てるのに必要な分だけではなく、それ以上の広さの土壌を保護・再生する。
3. 行政機関や動物保護団体、賛同企業とともに、2023年までに全世界で化粧品の動物実験廃止を目指す。
すでにユニリーバのビューティ&パーソナルケアブランドの23のブランドが国際動物愛護団体の基準をクリアしてPETA認証を受けており、その他のブランドも認証取得に向けて取り組みを進めている。
ユニリーバのビューティ&パーソナルケアブランドはこれらのコミットメントの中心にあり、多くのブランドには、パーパス(目的・存在意義)を持つことで成長してきた長年の実績がある。これまでにダヴ、ライフボーイ、ヴァセリン、サンシルクといったブランドが社会・環境の課題に対して行動を起こし、社会の規範、ポリシー、法律の進化を促してきた。今後より多くのビューティ&パーソナルケアブランドがこのような動きに参加することになるとしている。
消費者は、社会課題に対して、ブランドが姿勢を明らかにすることをこれまで以上に求めるようになってきている。ユニリーバのブランドのうち、明確なパーパスを持つブランドは、その他のブランドに比べて2倍速く成長した。今回の調査結果は、このトレンドをさらに裏付けるもの。大多数の人々(69%)がより多様な肌タイプや髪タイプに応じたビューティブランドを友達や家族に勧めると答えている。一方、回答者の半分はそうした製品は、もっと高くても買うとしている。