「まごチャンネル」で気付いた高齢者向けプロダクトならではの難しさ
吉澤:梶原さんは元々AppleでiPodビジネスの責任者をされてましたが、同じハードウェアのサービスの中でも高齢者向けと若者向けで大きな違いはありましたでしょうか。
梶原:私たちがこのサービスを始めて実感したのは、サービスやプロダクトを作る側は無意識に自分をユーザーとして想定しがちだということです。たとえばまごチャンネルのマニュアルを作る際に、高齢者に製品とマニュアルのプロトタイプを渡して使ってもらったのですが、HDMIケーブルの向きがわからなかったり、電源ボタンを押してから起動まで時間がかかることが理解できなかったりと、私たちでは想像もできなかったところで躓いていたんです。自分たちの当たり前を疑い、観察し、解きほぐして最適なモノをデザインしていくことの必要性を感じました。