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パナソニック深田氏が語る新規事業とDXの意義──コロナ禍の変化と「Unlearn & Hack」とは

Biz/Zine Day 2021 Summer レポート vol.01

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 パナソニックで主に家電事業を担当する事業カンパニー、アプライアンス社は、事業開発アクセラレーター「ゲームチェンジャー・カタパルト」を設立し、社会課題や暮らしの課題に寄り添う新規事業開発を進行中。生活者と直接つながり続け、得られるデータをもとに継続した価値提供を行うビジネスモデルへと変革を進めている。そこにはどのような課題が存在するのか。Biz/Zine Day 2021 Summerから、ゲームチェンジャー・カタパルト代表の深田昌則氏による講演をレポートする。

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パロアルト研究所のDr. John Seely Brown氏との議論で感じた変化

 深田氏は、現在のビジネス環境を確認するところから講演を始めた。まず認識すべきは、ビジネスの前提がいま、大きく変わってきていることだという。

「消費者、商品、製造プロセス、流通プロセスのすべてが大きく変化している。具体的には、エシカル消費やパーソナライズされた商品が増えてきているし、今日のテーマであるデジタル化、単なるデジタル化にとどまらないDXと呼ばれる変革、スマート化の流れがある。さらに産業アーキテクチャ、つまりはそもそも産業のあり方が大きく変わっている。顧客との関係も変わり、D2C、共創の取り組みも当たり前になりつつある」

 深田氏はゲームチェンジャー・カタパルトの立ち上げ前に、パロアルト研究所元所長のDr. John Seely Brown氏と議論する機会があったという。

 Brown氏曰く、現在は常に変化が発生する不安定な時代になっている。以前であれば、一度大きな変化が起きると70年程度は安定期が続いたが、現在では、2、3年で大きな変化が生じるサイクルになっている。

 こうした状況下で、大企業はどうふるまうべきか。Brown氏との議論は、次の3つに集約される。

Era of Scalable Learning

 パナソニックなどのものづくりを主とする企業がこれまで行っていたのは、規模や効率性のビジネスだった。これに対し、「21世紀型企業」に必要なのは、常に変化に追随するための学習能力である。

Leveraging the Edge

 変化は外界と接する領域(Edge)で起こるものである。そのため、企業を変革する場合にも、中央(Core)から変えようとするのではなく、外界と接するEdgeである各事業部門などでまず変化を作り、そこから内部を変えていく、というアプローチが有効になる。

Learn from the Edge

 こうしてEdgeで学んだことを社内に広めていくわけだが、その際には、過去の成功体験にとらわれずに常に新しい変化に向けて学び続ける必要がある。「Learn to unlearn」。 学んできたことを一度忘れることが大事になってくる。

 以上の3点から深田氏は、「社内の殻から出て、柔軟に学び続け、それをビジネスに反映することが重要になっている」と主張する。

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