全部を盛り込まない
3つ目のコツは、「全部を盛り込まないようにすること」です。
良い例は、1931年にハリー・ベック氏がデザインし直したロンドン地下鉄路線図のアプローチです。
従来の路線図は、普通の地図に対して、路線情報を描き足したものでした。
路線図は目的地(駅)への行き方がわからない人が見るものです。
このデザインでは、駅がどの場所にあるかを知るのには良いですが、乗り換え情報を知りたい人にとっては複雑で不便です。
そこでハリー・ベック氏は路線図に地理情報は不要と考え、目的駅への行き方に焦点を当てたデザインに変えました。
路線や駅は単純な線・角度・丸で表現し、地理情報には目安となるテムズ川のみ載せました。
このデザイン・コンセプトは現在まで踏襲されています。
一番大切な情報に集中できるように、ビジュアルの目的と無関係な情報を省く努力をしましょう。
この記事で挙げた「伝わりやすいビジュアル」のコツは次の3つです。
- 決まり事を設ける
- 意味のない装飾を避ける
- 全部を盛り込まない