そもそも「分析とは何か」から考えよう!
「分析力」というのは、ビッグデータ・定量分析だけの話では決してない。デザイン思考でよく使われるフィールドワーク(行動観察、インタビュー調査など)においても必要なもので、それなしにユーザーを観察しインタビューをしても効果的な情報収集とはならず、「分析力」がその成否を左右すると言っても過言ではない。
前回「ビッグデータ活用は『数字力』より『言葉力』」にて、“分析力だけでは武器にならない”と指摘したが、「分析力」が不要ということではなく、前提でありベースのスキルであることに疑いの余地はない。
さて、その「分析力」とは何なのか。
広辞苑によれば、「分析」とは、
- 「分」:分けること、区別すること
- 「析」:分けること、とくこと
- 「分析」:ある物事を分解して、それを成立させている成分・要素・側面を明らかにすること
であり、一言で言うと「分ける」という意味になる。現場的、実践的な立場でもう少し加えて言えば、「分析」とは「分けて比較することで、モノゴトを明らかにすること」と理解するのがよいだろう。したがって、「分析力」とは何かと言えば、「モノゴトを明らかにするために、上手く分ける力」で、「分ける」ことによって重要な特徴が発見できること、その「分ける」軸を見出す力ということになる。
では、洞察(インサイト)を得るために「上手く分ける」とは、具体的にどのようなことだろうか。