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ぐるなび杉原社長が目指す組織の進化──社員の行動変革を促すパーパスを軸とした理念体系策定

第12回ゲスト:ぐるなび 杉原章郎氏

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 いま企業のあいだでは、社会における“存在意義=パーパス”を再定義して「何のために存在しているのか」、社員一人ひとりは「何のために働くのか」を明確にする動きが活発になっています。これは技術革新や時代の変化によって価値観が変化したことや、企業都合のビジネスではなくサステナブルな経営が求められるようになった社会の変化も影響しています。  そこで、経営者のビジョンやパーパスの言語化支援を得意とするIdeal Leaders株式会社CEOの永井恒男氏が、既にパーパスを策定・運用している企業の方をゲストに迎え、そのメリットを解き明かします。今回は株式会社ぐるなびの代表取締役社長 杉原章郎氏をお迎えし、「食でつなぐ。人を満たす。」というパーパスに込められた思いと成果についてお聞きしました。 ※取材はマスクを着用し、ソーシャルディスタンスを保って行っています。

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拠り所になる“言葉”が組織を強化する

永井恒男氏(以下、敬称略):私自身、駆け出しの頃から会社の飲み会を設定する際など、「ぐるなび」には大変お世話になってきましたので、お話をお聞きできるのを楽しみにしておりました。まずは今春、「食でつなぐ。人を満たす。」というパーパスが策定された経緯についてお聞きしてもよろしいですか。

ぐるなびのパーパス
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杉原章郎氏(以下、敬称略):私が社長に就任したのは2019年6月のことで、まず着手したのは、会社のことをもっと知ることでした。もちろん、経営データなどはあらかじめ把握してはいましたが、業績が低迷する中においては、数字ではわからない部分こそが問題であり、全国の営業所を行脚することから始めました。

 多くの社員と対話したことで、ぐるなびで働いている人材は皆、飲食が心から好きな人ばかりであることを実感しました。そこで状況を打開するためには、食をエンパワーメントしたいと考えている彼らの力をもっと活かすべきだと感じたことが、今回のパーパス策定につながっています。ぐるなびが何のために存在し、社員一人ひとりが何のために働くかという存在意義を見直すことで、組織としての絆を強化することが目的でした。

永井:ちなみに楽天時代のご経験は、何らかの形で生かされていますか?

杉原:思い返してみると、パーパスマネジメントに近いことを楽天時代も行っていました。たとえば、ぐるなびでは進化のDNAを組織内に浸透させるため、「4つの進化」を毎朝朝礼で全員が唱和する習慣がありましたが、楽天でも似たようなことを行っていました。正直に明かせば、その効果について当初は私も懐疑的でしたが、毎朝口にする言葉というものは否が応でも行動に影響を与えるもので、組織の在り方に少しずつ変化を与えていく様子を体感したことが、新理念体系策定のベースにあると思います。やはり、拠り所になる言葉を持つのは大切なことですから。

「4つの進化」
「4つの進化」

永井:なるほど。言葉が持つ力を再認識したうえでパーパス策定に取り組んだということですね。

杉原:そうですね。コロナ禍によって対面で議論をする機会が減ったことで、かえって会社の存在意義を熟考する時間が生まれたのも、今にして思えば良かったのかもしれません。平時であればおそらく、社内で顔を突き合わせて、すぐに決めてしまっていたでしょうから。

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この記事の著者

友清 哲(トモキヨ サトシ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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