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コクヨ山崎氏「100万冊以上売れたノート」を作るまで

スマホノート「CamiApp」のリーンな開発

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本業兼務で時間外に

こうして人は集まったものの、全員が兼業でやっているので当然離れていくメンバーもいた。プロジェクトを維持していくコツは、「来る者は歓迎し、去るものは追わず」の精神とメンバーの帰属意識への配慮だ。

やりたいっていう人はしっかり入れてあげる。知識のある人も入れてあげる。これが回っていくと、自分の業務が忙しくて来なくなったりとか、来ても疲れて寝てる人とか出てきます。でもそれを非難したり、「態度悪いぞ」みたいなことを言わない。去っていく人がいてもどうぞ自由に、という姿勢を心がけていました。もうひとつ、注意したのは、「名を刻む」こと。例えば役員とか社長とかに出す進捗報告資料とかに、必ずメンバー全員の名前を入れる。これだけでもサラリーマンは嬉しいものなのです(笑)。僕は別にそういう気持ちはなかったのですけれども、当時の上司や営業の人から、「こういうのはちゃんと名前を入れておかないとあかん」と散々言われました。

プロジェクトが生まれ、商品としてのイメージも出来た。ここでプロトタイプとなる試作品を作り、想定のユーザーにヒアリングをおこなった。ヒアリングの段階で山崎氏は、漠然と数名を選んでグループインタビューをするといった方法はとらなかった。実際にスマートフォンアプリでノートをとっている人や、それに近い発言をしている人を選んで、個別のインタビューをおこなっていった。「誰に」を決めることで、利用シーンと提供価値が見えてくる。この場合、「電子化したノートをいつでもどこでも見れるようにしたい人」が対象となる。こうして、想定されるユーザーにヒアリングをおこないながら、コンセプトを絞り込んでいった。

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京部康男 (Biz/Zine編集部)(キョウベ ヤスオ)

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