「人生芸術の山脈」の頂点に据える、ビジョン思考
今は産業革命モデルと情報革命モデルの組織が両方存在する時代である。だからこそ、ビジネスの世界は「カイゼンの農地」「戦略の荒野」「デザインの平原」そして「人生芸術の山脈」という4つの世界に分かれると佐宗氏は主張する。
「カイゼンの農地」とは、効果的なプロセスでPDCAを回して考え、物事を改善していくことでビジネスを成り立たせる世界である。しかし、AIなどによる自動化と先の見通しのつかなさによってこの世界にとどまることはリスクが高くなっている。「戦略の荒野」とは最適資源配分を行い、戦略を決めてシェア争いをする世界だ。この世界にいる組織では、既存ビジネスをどう伸ばすかだけに発想が固定化されてしまい、新しいチャレンジが生み出せなくなる。データ分析を重視するためスピードに欠け、データを重視しない競合他社に市場の新たな兆しを奪われてしまいがちだ。