ガートナージャパン(以下、Gartner) は、2022年のデータ/アナリティクス(D&A)に関するトップ・トレンドを発表した。12のトップ・トレンドは「ダイナミズムとダイバーシティの活性化」「人材と意思決定の強化」「信頼確保の制度化」の3つのカテゴリに分類れる。
D&Aのリーダーは、これらのトレンドの持つ意味を理解し、戦略に反映させて、具体的な取り組みとして進めることが重要となる。それによって、混乱や不確実性に迅速に適応し、スキルや人材の不足に対処し、信頼性を担保しながらD&Aを組織に浸透させ、組織が期待する価値の実現を目指すべきだという。
2022年のD&Aのトップ・トレンド
ダイナミズムとダイバーシティの活性化
AIのためのデータ管理、自動化されたアクティブ・メタデータの活用、あらゆるデータの共有から生まれるイノベーションは、いずれもデータ・ファブリックを基盤とし、データとアナリティクスの価値を最大限に引き出す。
2026年までに、社内外のデータ・エコシステムに自動化された信頼基準が適用されることで、外部のデータ仲介者の大半は市場から排除され、データ共有のリスクが半減するとGartnerはみている。
このカテゴリに含まれる2022年のトレンドは、適応性の高いAIシステム、データ・セントリックAI、メタデータ駆動型のデータ・ファブリック、あらゆるデータの共有。
人材と意思決定の強化
ビジネス部門のユーザーは、ノーコード/ローコードのテクノロジを用いて、モジュール型で提供されるD&Aの豊富な機能コンポーネントを組み合わせ、独自のアナリティクス・アプリケーションを構築する。これには、データ・リテラシーを優先して、D&A人材の不足に対処する戦略の導入も含まれる。
2025年末まで、大多数の最高データ責任者(CDO)は、データ・ドリブンなビジネスの戦略的目標を達成するために必要な人材のデータ・リテラシーを向上できないままとなる。Gartnerの調査によると、D&Aの人的な要素を優先して取り組む組織は、テクノロジに偏重する組織よりも成功を収める割合が高いことが明らかになっている。人材に焦点を当てることで、プラットフォーム/データセット/ツールを単に提供することではなく、より幅広いデータ・リテラシーやデジタル学習が促進される。
このカテゴリに含まれる2022年のトレンドは、コンテキストで補強された分析、ビジネス・コンポーズドD&A、意思決定に重点を置いたD&A、スキルとリテラシーの不足。
信頼確保の制度化
D&Aから最大の価値を引き出すことが可能なのは、AIのリスクを管理し、分散システム/エッジ環境/先進エコシステムにわたるコネクテッド・ガバナンスを実現できる場合のみ。
AIに関する規制が世界的に広がる中、信頼性、透明性、消費者保護を確保する監査可能な特定のプラクティスが義務付けられつつある。2026年までに、信頼できる目的志向のAIを開発する組織では、AIイノベーションの75%以上で成功を収めるが、開発しない組織では40%にとどまるとGartnerでは予測している。
このカテゴリに含まれる2022年のトレンドは、コネクテッド・ガバナンス、AIのリスク管理、ベンダーと地域のエコシステム、エッジへの展開。