安西氏が提唱するローカリゼーションマップ
まず始めに、安西氏が提唱する「ローカリゼーションマップ」についての説明がなされた。ローカリゼーションマップとは、言葉、法規制、形や色、ロジックなどを、その市場に適応させることを指す。そこには三つの目的があるという。
一つ目は、自社の製品のローカリゼーションをどうアプローチするか。新しい市場への参入時から、ローカライズすること前提ではなく、するか、しないか、の判断基準をもつことが大切だという。
二つ目は、ローカリゼーションされたものを観察することで、その市場のロジックを知ること。すでに流通しているローカライズされたものから文化解読を行なうことで、ユーザーを知ることができる。
三つ目は、ローカライズからその市場のコンテキストを理解することで、長期的なイノベーションを促進することができる点。その市場の価値観がどの方向に進むのか、ローカリゼーションから長期的イノベーションを見据えるためにも、市場文化を読み込むことが重視されるという。
製品のブランドや価値は、イノベーションを起こし続けることによってブランドが構築される。コストを超えた付加価値があり、その先にブランドがあるという。そうした時に、マザーハウスは設立して8年のメーカーながら、確固としたブランドが確立されつつあると安西氏は指摘する。その理由とブランド構築に至る過程や組織について話がなされた。