ライオンと日立製作所(以下、日立)は、研究所で開発した新たなハミガキの組成をもとに、実際に工場で生産する際に生じる課題を事前に予測し、製造プロセス上最適な組成情報や物性情報の案を自動提案するシステムを開発した。先進デジタル技術を活用したこのシステムを、さらに他の課題にも適用して運用することで、最大約40%の製造プロセス検討時間の削減が見込まれ、ハミガキの製品開発のスピードアップが期待されるという。
課題事前予測&最適組成自動提案システムの概要
ライオンが長年培ってきた「ハミガキの製品開発の知見」、「原料配合量の組み合わせ」や「物性測定データ」などのサンプルデータに、日立のマテリアルズ・インフォマティクス(MI)技術を適用して物性を予測するモデルを構築した。
このシステムは、予測モデルを活用して、研究所で新たに開発したハミガキの組成や物性の情報から移送性を事前予測するとともに、移送性の情報などの目標とするハミガキの物性値から逆解析することで最適な組成情報や物性情報の候補を自動で提案することができるという。