横河電機は、OpreX Data Acquisitionのラインアップとして、「広域モニタリングシステム」を国内向けに発売した。このシステムは、広域に点在する多数のセンサーや工場等で集中管理されたデータを、携帯電話網等を経由し、産業用クラウドプラットフォームのYokogawa Cloud上で一元管理するもの。ユーザー調査をもとにした、直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作で、DXを通じた現場の生産性向上に貢献するほか、クラウドのサブスクリプションサービスにより初期コストを抑えて手軽に導入することができる。

　なお、本システムの利用にあたっては、用途に応じて、別途「GA10 R4.01」、クラウド接続モジュールや、関連するエンジニアリング等が必要となる。

製品の特長

直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作

　ユーザー調査を重ね、製造現場の方が直感的に使えるグラフィカルユーザーインターフェースとシンプルな操作を実現。専用のIDとパスワードで管理されたWebページ（PC・スマートフォン）は全て日本語で表記されており、直感的にモニタリングを行うことができる。たとえば、設定した範囲の値を超えた場合、地図上の緑のアイコンが赤に変わるので、クリックするとそのモニタリング値を示す画面に遷移。さらに数字をクリックすると、グラフを確認することができる。

クラウドと連携できるソフトや機器を準備し、多種多様なデータの取得に対応

　クラウドと連携できるデータロギングソフト「GA10 R4.01」は、ユーザー側の事前設定もシンプルな操作で済むよう工夫している。たとえば、クラウド環境の設定は「GA10 R4.01」で登録済みのセンサーを選択し、設定ファイルを専用のWebページにアップロードするだけで完了する。クラウド接続モジュールは、事前のクラウド設定により、現場での設定作業は一切不要となっている。SIMカードを挿入し、電源を入れるだけでクラウドへのデータ送信が自動的に開始。また、横河電機の「Sushi Sensor」や既存の伝送器等の各種フィールド機器、PLCだけでなく、他社製品も接続することができるため、設備管理、水質管理、防災管理、生産管理など、幅広い用途で活用することができる。

初期導入コスト、保守・運用コストを低減

　このシステムは、横河電機のハードウェア開発や、効率的なOTおよびITエンジニアリングに関するノウハウを盛り込むことでエンジニアリングの負担を最小化しており、ユーザーの導入、保守・運用コストを低減している。さらに、小規模にも対応し、50データから手軽に活用することができ、サブスクリプションサービスであるため、初期コストを抑えて手軽に導入することができる。

主な市場

• 化学、石油化学、オイル＆ガス、電力、エレクトロニクス機器、食品・飲料、製薬、紙パルプ、建設・不動産など

用途

　以下用途での広域モニタリング（複数の用途の組み合わせも可能）することができる。

• 水質管理（上下水道、排水）
• 防災管理（火災、河川・ダムの増水等）
• 設備管理（ポンプの交換時期、エネルギーマネジメント、ビル等）
• 生産管理（材料の残存量等）
• 電力管理（電気使用量等）