金融機関に求められる経営の舵取り
サステナブルファイナンスは金融機関にとって新たなビジネス機会の創出とも言える。日本においては2020年10月に、当時の菅義偉首相が所信表明演説で「2050年カーボンニュートラル」を宣言した。政府によるカーボンニュートラル宣言は欧州各国や中国に後れを取ったものだったが、官主導でのカーボンニュートラルが動き出す大きなきっかけとなった。
実際に、菅首相の宣言を受けて、2020年12月には経産省から「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」が発表され、15兆円の民間企業の研究開発・設備投資の誘発、税制支援やカーボンプライシングの導入などが言及されている。