「脱炭素」、「ESG投資」、「SDGs」……このような環境や社会に関する用語が、見ない日はないと言って良いほど紙面を賑わせている。環境や社会問題、それに対応する企業統治(本稿ではこれらを総称してESGと呼ぶ)の重要性は理解しつつも、具体的にどのようなアクションを取るべきか、腹落ちしていない読者も多いだろう。筆者は、ライズ・コンサルティング・グループのFinTech/Start-upプラクティスの一員として、金融機関のESGに関する戦略立案や対応計画の策定、気候変動を含めたリスク管理などの案件を手掛けてきた。実は金融機関は一般企業以上に、この国際的な脱炭素やSDGsの潮流に重大な影響を受けている。今回は「サステナブルファイナンス」をテーマに、金融機関が直面する課題や、ESGにどう向き合うべきかについて解説する。 ※本連載はライズ・コンサルティング・グループのデジタルサイト内「FINTECH /START-UP」より一部再編して掲載しています。
サステナブルファイナンスとは何か
サステナブルファイナンスは、文字通りに意味を取ると「持続可能な社会を実現するための金融サービス」となる。本稿ではサステナブルファイナンスを「金融機関が、環境や社会問題の解決につながる金融サービスを提供すること」と定義する。
地球温暖化、環境汚染、貧富の格差、人種・ジェンダー差別など、これまで企業の財務に表れてこなかった要素(非財務要因)が、環境や人権意識などの高まりを背景に、無視できないほどに企業経営や企業価値に影響を与え始めている。
サステナブルファイナンスはこのような非財務要因を、事業上のリスク、あるいはリターンとして評価し、非財務要因の対応が充実している企業などに優先的に投融資したり、必要に応じて金利や条件を優遇したりすることで、非財務要因への対応を促すことを企図した新しい金融の手法なのである。
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投資手法による分類では、サステナブル投資を普及する国際団体であるGSIA(Global Sustainable Investment Alliance)が7つの手法に分類している。いずれも投融資先企業に変容を促すもので、たとえば、一定の基準に基づいて特定の業種や企業を投資対象から除外するネガティブスクリーニング、「再生可能エネルギー」や「女性活躍」といった特定にテーマに着目するサステナビリティテーマ投資などの手法がある。
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商品種別による分類としては、経済産業省が資金使途に応じた分類を示しており、たとえば環境改善や社会貢献につながる事業に資金使途を限定するサステナビリティボンド、ESGの達成状況に応じて金利が変動するサステナビリティ・リンク・ローンなどが挙げられる。
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次に、金融機関を取り巻く環境を見ていこう。
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