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「イノベーターシップ」による事業創造

優良企業が“20年もたない”時代に「ビジネスモデル・イノベーション」に習熟する意味

第3回:多摩大学大学院 教授 / 河野 龍太 氏

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事業創造プロセスの起点となる「バリュー・プロポジション・キャンバス」

ビジネスモデル・キャンバス図1. バリュー・プロポジション・キャンバス
図版 書籍『バリュー・プロポジション・デザイン』より
参照URL https://strategyzer.com/

――「バリュー・プロポジション・キャンバス」の使い方について、さらに詳しく教えていただけますか。

河野:
 まず基本的なスタンスとして、顧客は商品そのものを求めているのではなく、「問題(Job)」を解決するために、商品やサービスを「雇っている」と考えます。顧客のジョブにフォーカスすることで、顧客の本質的なニーズとかみ合った価値を発想できるようになります。イノベーションを目指す際には、この視点が非常に重要です。

 このときのジョブやペインの見極め方が特に肝心で、顧客のインサイトを発見するための様々な手法も組み合わせて、未解決で重要なジョブや、既存のソリューションで十分解決できていない不満やフラストレーション(ペイン)への洞察を深めることが、より本質的な価値提案をするためのコツと言えるでしょう。

――では、全ての起点ともいえるわけですね。これをどのようにして、事業創造プロセスの一部として組み込んでいくのでしょうか。

河野:
 顧客と顧客価値についての仮説をバリュー・プロポジション・キャンバスでデザインし、「ビジネスモデル・キャンバス」と行き来しながら、ビジネスモデルを検討します。さらに顧客へのヒアリングやプロトタイプで検証を行いながら、改善や変更を繰り返していくのです。

 このとき、決して単調な一方通行ではなく、行きつ戻りつしながらの、試行錯誤を前提とした複雑なプロセスとなります。

ビジネスモデル・キャンバス図2. ビジネスモデル・キャンバスとバリュー・プロポジション・デザインを行きつ戻りつしながら、試行錯誤するプロセス
図版 書籍『バリュー・プロポジション・デザイン』より
参照URL https://strategyzer.com/

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「ビジネスモデル・イノベーション」を実行する組織に必要なものとは?

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