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Zero to IPO 

創業者ではなくチームにビジョンが宿り、スタートアップは進化する──起業家の“幸せな権限委譲”とは?

『Zero to IPO』出版記念鼎談 Vol. 3(後編):南章行×端羽英子×志水雄一郎

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スタートアップ経営、起業家に必要なのは「学ぶ力」

端羽英子氏(以下、敬称略):広義の意味でいえば、ココナラさんはビザスクのチームのようなものですよね。初期のころはしょっちゅうオフィスにお邪魔して、ありとあらゆることを相談していました。もちろん、知見をマッチングするビジネスをしている身として、タダで聞くのは申し訳ないので、後でビールを贈っていました(笑)。

南章行氏(以下、敬称略):本当にありとあらゆることで来ていましたね。初期のころには「もうできない!」と泣きついて来たこともありました。それを見ていたので、うちより先に上場すると知ったときはびっくりしました(笑)。

端羽:思い返すと、本当に初歩的なことも聞いていました。「銀行からお金を借りると1年間で返さなければならないみたいだけど、そんなこと一体どうやってやるのか、これはどういう仕組みなのか」と聞きに行ったこともありましたね。

:そうですね。私も私で「きちんと毎月の報告をすることで、銀行用語でいう『仕振』、つまり仕事ぶりをしっかり見せて信頼を築く。そうすると大きな金額を借りることができる。だからこの無駄に見える時間も大切なんだぞ」と1から説明したのを覚えています。

志水雄一郎氏(以下、敬称略):基礎的なことから聞けるというのは、実はすごい強さ、能力ですよね。

:端羽さんは本当に聞きますから(笑)。

志水:例えば、起業家の中で投資銀行の人がCFOをやるべきかを議論する方がいらっしゃいますが、その視点は能力や知識を重視しすぎているのではと感じることがあります。本当に大事なのは実務経験のあるCFOたちに自ら聞いて、学びながら進められるかどうかです。

:学ぶ力ですね。本当に大切です。

「あの人に勝とう」ではなく「教えてくれてありがとう」

端羽:ビザスクのバリューに「プライドはクソだ」というのがあります。もちろんそれでは言葉足らずなので「万物から謙虚に学べ」と説明文もつけています。最速で学ぶためには、たくさん質問をしなければなりません。そして、間違っていると指摘されたときにきちんと受け止めなければなりません。

:端羽さんは体現していますね。アドバイスをしたら本当にそれを実践していた。

端羽:そうですね。私自身、競争して誰かに勝ちたいと考えるよりは、「みんな、教えてくれてありがとう」という考え方をしていることが多いです。

:お互いから学びあったほうが当然いいですよね。私も、自分ではいろんな経験を積んできたつもりでいたものの、実際にはほとんどがはじめての挑戦です。なので、皆さんにアドバイスを貰いながら、言い換えればエコシステムに教えてもらいながら何とかやってきました。そう考えると、エコシステムが進化したということは、そういう知へのアクセスがすごく増えたということです。きちんと振る舞えば、ずいぶんやりやすくなったはずです。

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雨宮 進(アメミヤ ススム)

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