三菱UFJ銀行と大日本印刷(以下、DNP)は、ブロックチェーンなどの分散型技術を利用して、自身で個人のアイデンティティを管理する「分散型ID」に関する技術、および事業化の検証を目的とする基本合意書を締結した。
両社は、同基本合意書に基づき、自己主権型のデジタル証明書(Verifiable Credentials:VC)の発行や分散型識別子(Decentralized Identifiers:DID)に係る技術検証、これらを活用するビジネスの事業化検証を進めていくという。
具体的には、個人が自身の属性・学歴・資格・職歴などのデータを管理・保有し、第三者にその真正性を証明できる社会を実現するため、今後、以下の領域で技術、および事業化の検証に取り組むとしている。
学校業務のDX
学校の教務窓口での身分証明書の提示や書面による諸手続きを介さずに、オンラインで各種証明書の入手を可能にする。在学証明、学習履歴、卒業証明書などのデジタル証明書を発行することで、学生が自身に関連する情報をスマートフォン上で自ら管理し、デジタルIDとして活用できるよう、実証実験を実施する。
人的資本経営および自律的なキャリア形成実現などを支援する基盤構築
個人の属性・学歴・資格・職歴・スキルなどを、デジタル証明書として発行・検証できるネットワークを構築し、就職や転職の場面での活用を目指す。これにより、現状はキャリアごとに分断されている個人のアイデンティティが統合され、自律的なキャリア形成とその自己証明が可能になるという。また、社員のキャリアの可視化を通じ、企業の人的資本経営の実現に向けた検証を行う。
三菱UFJ銀行とDNPは、信頼性のあるデータ流通を実現するために、インターネット上で扱う個人のデータを自ら管理できるシステムやネットワークを構築し、社会実装を目指す。また、グローバルな視点で様々な企業や団体と連携しながら、実証実験を行っていくとしている。