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シン・鬼十則

事業が非線形で成長するときこそ鬼十則は機能する──急成長企業を牽引する千葉氏が語る「シン・鬼十則」

第2回 ゲスト:千葉久義氏

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 昭和の時代に電通躍進の原動力となった「鬼十則」を、イノベーションの源泉となる「シン・鬼十則」として再発見する本連載。元電通マンで鬼十則を愛する蓮村俊彰氏が、令和の現代において「シン・鬼十則」的な活躍をしている方々に、その取り組みや考え方を伺っていきます。今回のゲストは千葉久義氏です。2011年、電通に新卒入社し、ラジオテレビ&エンタテインメント局でテレビCM枠の買い付けを経験。その後、2014年に当時20人規模だった株式会社Gunosyへ転職し、上場へと導いた立役者であるほか、現在はエンジェル投資家としても活動されています。

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研究者志望の千葉氏が「鬼十則」を身につけるまで

蓮村俊彰氏(以下、蓮村):新卒で電通に入社し、その後Gunosyを日本のスタートアップ業界で誰もが知る企業へと成長させた千葉さんは、鬼十則をどのように捉えているのか伺っていきますが、そもそもなぜ電通に入社されたのでしょうか。

千葉久義氏(以下、千葉):元々、高校に入学する前から研究職を目指していました。東京大学で惑星科学を学んでそのまま大学院に進みました。しかし事情もあり博士課程は進まず、就職することにしました。浪人と留年、そして大学院に進んでいたことで、大卒に比べて4年遅れての就職になりました。すると、新卒としてエントリーできる企業は限られていました。長年研究者を志していたこともあり企業について詳しくなく、社名を知っていた電通を受けることにしたのです。消極的な理由での就活だったため、鬼十則も入社後に知りました。

蓮村:入社後に配属されたのが、テレビ局からテレビCM枠を買い付けるメディアの部署ですよね。電通社内では花形・稼ぎ頭とされる部門ですが、理系修士卒で研究者になりたかった千葉さんとしては想像もできないような仕事や同僚たちだったのではないでしょうか。

千葉:そうですね。社内でも最も飲み会が激しい部署でしたし、体育会出身者が多く鬼十則を信奉している人も非常に多かったですね。この部門では、テレビ局と電通が一心同体な関係で、テレビ局の方も鬼十則に親しんでいました。「何番目が好き?」と聞かれることもあって、そのときは4番目と答えていましたね。

蓮村「難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。」ですね。千葉さんは電通在籍当時、鬼十則をどのように意識していたのでしょうか。

千葉:周囲が鬼十則を行動規範としているので、私も鬼十則に書かれているような動き方になっていました。これは電通の外に出て初めて気づくもので、電通にいるときは当たり前過ぎて、意識することもありませんでした。

 配属から3年目に異動希望を出したのですが、異動が叶わなかったため、退職することにしました。莫大な利益を生む部署とはいえ、「テレビ局のテレビCM枠の買い付け」という、この業界に特化しすぎた仕事に限界も感じていました。

 そこで転職したのが、当時スタートアップとして情報キュレーションサービス・ニュース配信アプリを手がけようとしていたGunosyです。

千葉久義氏
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この記事の著者

皆本 類(ミナモト ルイ)

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