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日本企業が「パーパス」と「利益」を両立させ、持続可能な経済・経営を実現するには

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 持続可能な社会と経済のために、企業は「パーパス」の実現に挑みながらも「利益」を得ることの両方が大事としてきた書籍『GROW THE PIE』。出版記念フォーラムの最後には、これまで登壇した小田急電鉄株式会社の政光賢士氏、株式会社レゾナックの松古樹美氏、株式会社Zebras and Companyの陶山祐司氏、一橋大学 教授の篠沢義勝氏が登壇して意見を交わした。モデレーターは株式会社ヒューマンバリューの川口大輔氏が務めた。

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「パーパス」と「利益」、成り立たせるには経営のリーダーシップが必要

川口大輔氏(以下、川口):これまで4者様々な視点や時間軸でお話をいただきました。

4者の各セッションレポート

 まずはお一言ずつ感想や刺激を受けた点をお伺いできればと思います。

政光賢士氏(以下、政光):書籍『GROW THE PIE』の中でも「比較優位の法則」が出てきますが、みなさまのお話を伺って「この新規事業は小田急がやる意味があるのか?」を改めて投げかけられたように感じました。特に私自身は新規事業に関わっています。新規事業は「1000個の内1つの事業が当たればいい」という世界観なので、その中で小田急ならではの比較優位で優るものを見つけていきたいと思いました。

松古樹美氏(以下、松古):私は小田急さんの「列車運行における安全への意識」の話がすごく刺さりました。化学企業でも現場の「安全」は重要です。ルールを作って縛るよりも、話を「聴く」というのが本当に大事だと思いましたね。小田急さんが運行管理の技術に強みを見出していることから、弊社のメンバーとも「弊社の製造プロセスは実は強みではないのか?」と話していました。

陶山祐司氏(以下、陶山):私も自身の問題意識と被る部分が多く非常に興味深かったです。各社が様々なことを行っていますが、メンバーには「儲けるために頑張ろう」と伝えた方が合意形成も楽ですし、短期的に成果を出そうと思えば出せる。それでも、長期的な視点に立って、不確実性の高い今後の中で経済性と社会性の両面を成り立たせる。その合意形成をするのは非常に難しいものです。そこを導いて成り立たせるのはリーダーシップやトップマネジメントなのではないかと思いました。

篠沢義勝氏(以下、篠沢):実務家の話を聞いていて「やはりどこかにギャップがある」と私は感じましたね。小田急さんやレゾナックさんが素晴らしいことをされていますが、果たして「本当に投資家が求めているのか?」という点にギャップがあるように思います。ただ、「1つのタスク」を職人的にやり切ることだったり、「世の中のため人のため」という大義があったりすると、納得できる部分がある。そのバランスを経営陣がシビアに割り切ってバランスを取ることが大事なのではという印象を受けました。

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この記事の著者

上野 智(ウエノ サトル)

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