出光興産は、南米・北米・豪州などで合成燃料(e-fuel)の製造を行うHIF Globalの子会社であるHIF USAと、同社グループからの合成メタノール(e-メタノール)の調達および合成メタノールの事業開発に向けた検討に共同で取り組むことに合意した。
合成メタノール(e-メタノール)は、大気中などから回収したCO2と再生可能エネルギー由来の水素を合成することで生成される。船舶燃料として直接利用することができるほか、合成メタノールからは、合成ガソリン、合成SAF、合成ディーゼルなどの合成燃料(e-fuel)や、合成化学品を選択的に製造することが可能。化石燃料から製造されるメタノールと異なりCO2そのものを原料とするため、最終製品の利用までを含めた製品ライフサイクル全体において、低炭素化に寄与するという。
HIF USAは米国テキサス州マタゴルダにおいて、年産140万トン規模の合成メタノール製造施設の起ち上げに取り組んでいる。出光興産は3月にHIF Globalと合成燃料分野における戦略的パートナーシップに関するMOUを締結し、合成燃料の早期社会実装に向けて各種検討を進めてきた。今回の合意はその進捗の一環であり、合成メタノールの調達および合成メタノールの事業開発に向けた検討に共同で取り組むことに合意したとしている。
出光興産は、合成メタノールのサプライチェーン構築を目指し、安価な再生可能エネルギーを利用して合成メタノールの製造が行える海外からの調達や、船舶燃料用途としての需要開拓と補油(バンカリング)設備の整備、国内での合成燃料・合成化学品の生産についての検討を加速するという。