ドーモは、楽天ヴィッセル神戸(以下、ヴィッセル神戸)の事業運営とクラブチームのデータ活用に「Domo」が採用され、意思決定の迅速化に貢献していることを発表した。
ヴィッセル神戸は、事業規模の拡大と強固なチーム基盤の構築を目指して、新組織としてデータ分析チームを事業部とクラブチームの両方に置き、2019年にDomoを導入。導入にあたっては、楽天グループが既にDomoを導入していた点や、Domoが1,000以上のデータコネクターを持ち、楽天エコシステムをはじめとする多くのシステムと連携しやすい点、モバイルファースト仕様のDomoがスポーツビジネスにおける職場環境(スタジアムなどの利用)に適している点などが評価されたという。
Domo導入当初、データ分析チームは、データを活用する場面を想定して、事業部とクラブチームが保有するデータの収集を実施。同時に、事業部の各部門(営業・商品開発・チケット販売など)やチーム全体(監督・コーチ・トレーナーなど)に向けて、データ活用の効果やメリットを説明し、データドリブンな組織へとカルチャーを変えていったという。データを一元管理した後は、各所の運用プロセスにデータ分析を組み入れ、データ活用の定着化を図ったとしている。
同社は、スポーツのプロフェッショナルである選手や監督に対しては、データの役割や見せ方・伝え方に配慮が必要だとし、データ分析チームはデータを選手の納得感やモチベーションを高めるためにも活用しているが、すべてをデータだけで語ることはせず、プロの目も交えながら定量と定性のバランスを意識していると述べている。そして、勝つために必要な本質的なデータだけを、量やタイミングを見極めて活用しているという。
事業とクラブチームにおけるDomo活用法と効果
来場者アンケートの結果をリアルタイムに可視化し、顧客満足度の向上に向けた活動を検討
Domoを活用して、毎試合ごとの来場者アンケートの回答結果を年齢別、来場回数別など、様々な角度から分析し、顧客と直接接点のない部門にも理解しやすいよう可視化し、改善策の検討から実施につなげているという。また、その改善結果を顧客に知らせることで関係性を深めていくとしている。
Domoでリアルタイムに来場者の状況を把握し、データに基づいた迅速な意思決定のもと、継続的に改善活動を続けることで、試合結果にかかわらず顧客への付加価値を高めていることが、NPS(ネット・プロモーター・スコア:顧客の継続利用意向を知るための指標)の推移から読み取れると述べている。
試合結果や選手の重要指標をモニタリングし、勝つべくして勝つチーム基盤を構築
クラブチームでは、試合結果や選手のコンディショニング・トレーニングデータ・評価などをDomoに取り込み、チームの状況を定量的に把握しているという。
たとえば、試合プロセスにおいて「勝つためのサッカーができているか?」のビジネスクエスションに対して、試合ごとのシュート数やコーナーキック数などのKPIを設定し、勝てる試合で勝ったのか、もしくは偶然勝ったのか、Domoを活用して振り返りを行っているとしている。DomoでKPIの結果を可視化し、詳細にモニタリングすることで、勝った理由や改善点の分析をしていると述べている。