揚羽は、レゾナック・ホールディングス(以下、レゾナック)の旧昭和電工グループと旧昭和電工マテリアルズグループ(旧日立化成)の統合による新たな経営メッセージや人事諸施策の変化を、同社社員に伝えるためのコミュニケーション設計からクリエイティブ制作までを支援し、浸透活動に伴走していることを発表した。
2023年1月の完全統合に向け、レゾナックでは指揮命令系統の統一やコーポレート機能の統合、経営体制の完全一体化、新パーパス・バリューの策定およびグローバル全社への展開など、様々な組織改革が行われていた。その変革のひとつに「共創型人材」を創出するための人事制度の改定があったという。
旧昭和電工の素材技術と、旧日立化成のアプリケーションに近い機能を発現する力を一気通貫にすることで、社会で求められる機能を創出し、イノベーションを起こせるという点。また、それは社内にとどまらず、社外のステークホルダー、顧客、ベンダーとの共創を通して顧客の求めるものを作り出していくという点。同社の価値の源泉は、そうした「共創」ができる「人材」にあるとし、必要な人材を「共創型人材」と定義しているという。
「ありたい姿」のストーリー化
フォッグ式消費者行動モデル(人は「モチベーション」と、行動するための「能力」、行動を起こすための「トリガー」の3要素が揃って行動するという考え方)に基づき、コミュニケーション計画を立案。同社では既に「トリガー」として行動を促す機会や、考え方を変えていく機会づくりが計画されていたため、揚羽は「モチベーション」となる社員の情緒に寄り添うエモーショナルなアプローチを企画したと述べている。
CEOやCHRO組織の社員へのインタビューを踏まえ、「会社としてありたい姿」をストーリー化。一連の組織の変化により同社が実現したい「一人ひとりもっと輝いていける」「自分自身に驚ける組織にしていく」というポジティブな姿を、キャッチフレーズとビジュアルによりエモーショナルに伝えるとしている。
コミュニケーションツールにより社内外に発信
策定した言葉やビジュアルは、スタイルブックやデベロップメントガイドなどといったコミュニケーションツールとして社内に展開。また、新たなキャッチフレーズや人事制度を社外に発信することで、同社の考えに共感する人材の採用につなげるための社外向けWebページも制作したという。
スタイルブック(行動指針ブック)
新会社となることで何が変わっていくのかをBefore/Afterのイラストで、視覚的に楽しく理解できるようデザイン。現状を否定するのではなく、今ある良さを活かしながら、より良くするために変わるというトーンで、変わらなければならない背景に何があるのか、そのために人事制度の方針はどう変わっていくのかを図やイラストを大きく配することで分かりやすく伝えているという。
デベロップメントガイド
一冊で人事制度のすべてが分かるマニュアル。実際に社員が読むことで指標にするためのツールであるため、全体的にイラストを多用することで分かりやすく表現。イラストの中身も説明的なものではなく解釈を飛躍させたようなものにすることで、キャリアをポジティブに捉え、自分ごと化しやすいよう工夫していると述べている。