雑誌『風の旅人』での経験
春山さんがYAMAPを開発するに至ったもうひとつの道筋は、出版社での経験だ。星野道夫氏に憧れ写真家を志した春山さんは、帰国後、『風の旅人』という雑誌の編集部に勤務していた。
『風の旅人』に掲載されている写真のクォリティに打ちのめされた春山さんは、編集長の佐伯剛氏に、『風の旅人』を読んで書きためていたノート5、6冊と撮りためた写真をアラスカから編集部へ送る。本気度が伝わったのだろうか、編集長の佐伯氏から「東京に来ることがあったら編集部に遊びにおいで」と返事をもらうことができた。結果的に写真は掲載されなかったが、佐伯氏と関係ができたこともあり、帰国後、編集部で働くことになる。編集アシスタントや営業を経験し、東京中の書店を回った。