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オトを事業の核にした「成熟市場での成長」と「ベンチャーとの共創」――ヤマハの挑戦

第2回:ヤマハ株式会社 執行役員 小林 和徳 氏 / ニューバリュー推進室 室長 剣持 秀紀 氏

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日本企業の良さを活かす新規事業の「推め方」

 新規事業の推進においては、「ニューバリュー推進室」を設置する形で新しいチャレンジを始めている。
 まず、現場/技術サイドから公募方式でアイデアを募る。アイデアは社内イントラネットで公開され、誰でもコメント/参加出来るようになっている。この電子空間で議論されたアイデアは次の段階に進むと、リアルのワイガヤ形式でさらに「増幅」「昇華」され、アイデアが強化されてゆく。アイデアの種を衆目に晒し、磨き上げ、練ってゆくプロセスは、いわゆるステージゲート的なアプローチとも言え、これは人的な能力で競争力を維持する日本企業が好む、定石中の定石である。
 この過程ではセクショナリズム/参加者が増えすぎることによるアイデア潰しが起こる危険もあるが、ヤマハの場合は建設的な社内協力が得られるという。これは良い意味で、日本企業特有の「和の精神」を伴った進め方である。特に成果主義が生みだす、社内対立の多い企業でこの進め方は出来ないからだ。

技術コア戦略/ステージゲート法にオープン・イノベーションを組み合わせる図1. 技術コア戦略/ステージゲート法にオープン・イノベーションを組み合わせる

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