約2年での事業と組織の急拡大
田川啓介氏(以下、田川):ログラスさんは「Loglass 経営管理」というクラウドサービスで2019年に創業、現在は従業員が約150名と急成長されています。今日はお話を伺うのを楽しみにしていました。滝田さんがジョインされたのは2022年だと聞いていますが、まずはその時点から今までの事業内容の変化について教えてください。
滝田光氏(以下、滝田):2022年に私が入社した当時は、社員が20名ほどで、祖業の「Loglass 経営管理」がプロダクトマーケットフィットしつつあるタイミングでした。そこから1年で50~60名まで人員が増えています。
田川:プロダクトマーケットフィットといっても会社によって定義が違いますよね。プロダクトマーケットフィットをしつつあったというのは、どう判断されたのでしょうか。
滝田:そうですね。詳しくはお伝えできないのですが、当社のプロダクトマーケットフィットは一定の定量目標や特定のお客様の契約で判断しました。同時にもちろん更新率もあります。
田川:主に数値や事実を基に判断されたのですね。その時点が50名程度とのことでしたが、そこから次の事業の変化があったのはどのタイミングでしょうか。
滝田:約1年後、組織としては100名超えるぐらいのタイミングですね。その段階では事業の“仕組み化”に注力しました。それまでは仕組みがあまりできていなくても社員同士の阿吽の呼吸や個々人の能力でなんとかなっていましたが、人数が増えてきてそれでは非効率になってきたからです。
田川:具体的にはどのような取り組みなのでしょうか。
滝田:セールスフォース社が提唱している営業プロセスモデルの「THE MODEL」を創業期から踏襲して事業運営をしているのですが、部署間の接合点をチューニングしました。たとえば、マーケが見込み客を獲得してインサイドセールスにパスし、その後外勤営業にパスして商談し、その後カスタマーサクセスに引き継ぎますよね。そのパスの仕方、引き継ぎ方の質を上げるための議論と仕組みづくりを行いました。前工程と後工程のより良い受け渡し方法、フィードバック方法を整備したのです。
田川:MA(マーケティングオートメーション)やSFA(セールスフォースオートメーション)などのツールを入れて解決していったのでしょうか。
滝田:もともと最低限のツールはMAもSFAも入れていたので、自分たちなりのやり方を確立し、コミュニケーションを円滑にしてきました。割と早く整えたのではないかと思いますが、もともとCEOがビジネス全般を見ていて課題設定が得意なので、そのタイミングで整えましたね。
田川:そして、現在150名規模の会社になっているのですね。現在、そして今後の事業展開について教えてください。
滝田:現在、事業ではマルチプロダクト化を進めており、「Loglass 人員計画」といったクラウドサービスを提供し始めたり、Loglassのプロダクトにコンサルティングを組み合わせて経営をアップグレードするために必要な人的支援を行う「Loglass サクセスパートナー」というサービスを始めたりしています。「Loglass IT投資管理」「Loglass 販売計画」など、様々なプロダクトも社内で作りだしています。今後も引き続きマルチプロダクト化を進め、少しずつ提供範囲を広げながら、ミッションに掲げる「良い景気を作ろう。」に向かうために、日本企業の価値を高めたいと考えています。