アドビは、「AI時代の信頼性に関する調査」の結果を発表した。
同調査では、2024年米国大統領選挙を前に、2,000人以上の米国の消費者のオンライン上の誤情報に対する認識と経験について調査を行った。
調査結果の主なポイントは次のとおり。
米国大統領選挙に向けて、ほとんどの消費者が選挙関連の誤情報の増加を感じており、半数以上が誤情報に惑わされたり信じてしまったりしたことを認めた
- ほとんどの人(94%)が、誤情報の拡散が選挙に影響を与えることを懸念している
- ディープフェイクの懸念がメディアの見出しを飾る中、85%の回答者が選挙関連の誤情報が過去3ヵ月で増加したと感じている
- 回答者の約半数(44%)が過去3ヵ月で選挙関連の誤情報に惑わされたり信じてしまったりしたことがあり、その結果43%がオンライン上の選挙コンテンツを信頼しにくくなっていると回答した。オンラインで何が真実かを見極めるためのツールの必要性が浮き彫りになった
- 83%の回答者が、米国大統領選挙に対する外国からの干渉の脅威を懸念している
AIで作成されたコンテンツの増加により、信頼度が高い情報源からであってもその真実性に対する懐疑心が高まっており、消費者の大多数がオンラインで消費するコンテンツがどのように作成または編集されたかについて、透明性の確保を求めるようになっている
- 87%の回答者が、生成AIの台頭でオンライン上のコンテンツが事実かフィクションか見分けるのが難しくなったと感じている
- この不確実性により、デジタルコンテンツ全体への信頼が低下している。消費者の約4分の3(74%)は信頼性があるニュースサイトであっても、その写真やビデオの信頼性を疑ったことがあると述べている
- コンテンツの真偽を見分けるのが難くなったことで、93%の消費者はデジタルコンテンツがどのように作成または編集されたかを理解することが重要だと考えている
消費者は誤情報に対する強力な対策を求めており、オンラインコンテンツに作成者名、作成日、編集手順(AIの使用を含む)などの帰属情報が提供されることが、あふれる情報の中で信頼性を判断するために不可欠だと考えている
- 90%の回答者が、世界的な主要ニュースや危機が起こった際に、オンラインコンテンツに帰属情報が付与されることを望んでいる
- 95%の回答者が、選挙関連のコンテンツに帰属情報が付与されることが重要であり、自分で情報が正しいか確認するのに役立つと述べている
- 78%の回答者が、公式の選挙関連コンテンツに帰属情報が付与されることで、その信頼性が向上すると考えてる
- 68%の回答者が、自身がスマートフォンやスマートデバイスで撮影したコンテンツに帰属情報を付与することに関心をもっており、そのうち87%がソーシャルメディアなどでコンテンツを公開する時にその情報を表示するオプションを望んでいる
消費者は政府やソーシャルメディアプラットフォームに対して、誤情報の拡散に対抗するためのより確固とした措置を求めている。約半数が誤情報の多さからソーシャルメディアの使用を減らしたり、停止したりしている
- 48%の回答者が、誤情報の多さから特定のソーシャルメディアの使用を減らしたり、停止したりしたと述べている。これは2024年3月に比べて23%の増加となる
- 89%の回答者が、誤情報を防ぐための厳格な措置をソーシャルメディア運営企業が講じるべきだと考えている
- 74%の回答者が、米国政府はオンライン上の誤情報から人々を守るための十分な対策を講じていないと感じている
- 69%の回答者が、政府の公式ウェブサイトのデジタルコンテンツに帰属情報を付与することを支持しており、透明性を高めるのに役立つと考えている
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