AI insideは、年商500億円以上の大企業に勤め、業務における生成AIの導入に携わった人を対象に「生成AIの業務適応と課題に関する実態調査」を実施した。
8割以上が、勤務先で生成AIを「活用している」と回答
勤め先での生成AIの活用状況について質問したところ、「全社的に本格活用中」が33.9%と最も多く、次いで「一部の部門で活用中」が32.1%、「試験的に活用中(PoC実施中含む)」が14.7%と続いた。
84.4%が、生成AIの活用に「不安」を実感している
生成AIの活用にあたり、技術的な課題に不安を感じているか質問したところ、「非常に感じている」が22.5%、「やや感じている」が61.9%と、あわせて84.4%が不安を感じていることがわかった。
不安を感じている技術的な課題、1位は「ハルシネーション」
前問で「非常に感じている」「やや感じている」と回答した人に対し、どのような技術的な課題に不安を感じているのか聞いたところ、「誤情報の生成(ハルシネーション)」が59.2%と最多となり、次いで「機密情報の漏えいなどセキュリティに関するリスク」が54.9%、「回答品質の一貫性の欠如」が54.3%と続いた。
「著作権対応」や「参考元の情報の精査」などの声も
前問で「わからない/答えられない」以外を回答した人に対し、技術的な課題や不安を自由記述で聞いたところ、「著作権対応」や「参考元の情報の精査」などのコメントが寄せられた。
- 各国の法規制への対応
- 著作権対応
- 参考元の情報の精査
- 活用する人によってリテラシーが異なること
- 情報の信憑性。人権侵害の恐れ著作権侵害の恐れ
- 再現度が不十分なためチェックが欠かせない
- 正確性への疑問
生成AIを効果的に活用するために必要な技術観点
生成AIを効果的に活用するために、技術観点においてどのような要素が必要だと感じるか質問したところ、「セキュリティの強化」が59.2%と最も多く、次いで「AIが生成した誤情報への対策(ハルシネーション対策)」が55.5%、「出力結果の一貫性」が51.8%と続いた。
生成AIの活用における課題
勤め先で生成AIを活用中と回答した人に対し、生成AIの活用において、どのような課題を感じているか質問したところ、「AIが生成した誤情報(ハルシネーション)の検出と対策」と「セキュリティとプライバシー保護の徹底」が56.8%と同率で1位、次いで「AI出力結果の一貫性と品質の管理体制の構築」が47.2%と続いた。
約8割が、特定企業データを活用したカスタマイズSLMを検討
特定企業データを活用したカスタマイズSLM(特化型小規模言語モデル)の利用を検討しているかを聞いたところ、「かなり検討している」が32.0%、「やや検討している」が44.5%と、あわせて76.5%が検討していることが明らかになった。
調査概要
- 調査名称:生成AIの業務適応と課題に関する実態調査
- 調査方法:IDEATECHが提供するリサーチデータマーケティング「リサピー」によるインターネット調査
- 調査期間:2024年10月1日〜2日
- 有効回答:大企業(年商500億円以上)に勤めており、業務における生成AIの導入に携わった218名
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