サービス・デザインの唯一の「ルール・原則」とは?
本書では「製品とサービス」の根本的な違いを、「サービス」が提供者と利用者の相互協力によって作られるものであることと説明し、製品とサービスの両者を「サービス・デザイン」という行為の対象とする、と説明しています。
そして、サービス・デザインの文脈で使われる「デザイン」という言葉を、問題解決のひとつの手法であり、「理解のしやすさ」「使いやすさ」「個別性」「外観の美しさ」という4つの主要課題に取り組むものだとしています。
そもそもの部分で特に重要だと述べているのは、「サービス・デザイン」が唯一のルールとしていることです。「ユーザー中心」を原則に、「ユーザー」、「サービスの提供者」、「その他利害関係者」といったそのサービスに関わる全ての協力を得ること、としています。
なぜそれが、唯一の「ルール・原則」なのかを、顧客(ユーザー)、サービス提供者の両面から語っています。顧客(ユーザー)自身が納得してサービスを入手すれば、適正な価格で定期的に購入し友人にも薦める。そして、サービス提供者の組織でも、その従業員自身がその会社のミッション、業務の意味や意義を理解すれば、自主的に積極的に努力し、組織への忠誠心を誓います。これはその他の利害関係者も同様です。