M&Aでは得られない新規事業づくりの“メリット”
両社の取り組みを聞き、川岸氏は「そもそも売上の拡大や事業の立ち上げが目的ならば、M&Aをすればよいのではないか」という問いを投げかけた。両社のような大企業であれば、M&Aを実行に移す資金的基盤があるはずであり、社内で新規事業を立ち上げる必要性はないだろうというのが、この問いの意図だ。
これに対し、サントリーホールディングスの松尾氏は、「社内で新規事業に挑戦する風土がなければ、持続的な企業成長には結局つながらない」と答えた。同社では「やってみなはれ」という企業文化のもと、自らの意志で勝手に行動する「やんちゃ人材」が数々のイノベーションを起こして企業の成長を牽引してきたという事実が、その回答の根拠となっている。