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AI×新規事業開発の現在地

日本企業での「生成AI×事業開発」の現状と課題──汎用性の高い活用シーン、生成AIと人の役割分担とは

第1回

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 生成AIの登場により、ビジネスのさまざまな領域で革新的な変化が起きています。特に近年、そのアプローチが成熟化してきた新規事業開発の分野でも、生成AIの活用が大きな可能性を秘めています。本連載では「生成AI×事業開発」についてあらゆる角度からその可能性を紐解いていきます。第一弾となる本稿では、2024年11月に開催されたオンラインカンファレンス「VALUE DESIGN SUMMIT」内で、株式会社NEWh(ニュー)取締役 兼 Design Strategist 小池祐介氏の講演内容から、生成AIを活用した新規事業開発の基礎的な内容にフォーカスして解説します。10年以上にわたる大企業向けの新規事業開発支援のキャリアを持ち、また生成AI×事業開発に特化した専門組織「AI Innovation Node」を立ち上げ、生成AIを活用した革新的な事業開発メソッドの開発を主導するなかで得た知見をご紹介します。

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日本における生成AI活用の現状と課題

日本企業の生成AI活用意欲は国際的に見て低い

 生成AIの登場により、ビジネスのさまざまな領域で革新的な変化が起きています。しかし、日本企業の生成AI活用に対する積極性は、国際的に見て低い水準にあることが明らかになっています。

 『令和6年版情報通信白書』によると、日本企業の生成AI活用に対する積極的な意向は15.7%にとどまっています。これは中国の71.2%と比較すると、非常に低い数値であることがわかります。

 また、帝国データバンクの調査によれば、61.1%の企業が生成AIの活用を検討していますが、そのうち37.8%は具体的な活用イメージを持てていないという状況です。多くの企業が生成AIの潜在的な可能性を認識しつつも、実際の業務への適用方法に悩んでいる様子がうかがえます。

個人利用も同様に低調

 生成AIの個人利用においても、日本は他国に比べて低い水準にあります。日本での個人の利用率は9.1%にとどまっており、米国の46.3%、中国の56.3%と比較すると、大きな開きがあることがわかります。

 さらに、生成AIアプリケーションの継続利用率も課題となっています。生成AIサービスの1ヶ月後のリテンション率は42%であり、代表的なソーシャルネットワークサービスの63%と比較すると低い数値となっています。これは、多くのユーザーが生成AIの具体的なユースケースを見出せていない状況を示唆しています。

 このような状況から、生成AIはまだ「ソリューション」ではなく「技術」の段階にあると考えられます。つまり、事業開発を行う上でのユースケースや使い方についても、私たち自身が探索していかなければならない段階にあると言えます。

新規事業開発プロセスにおける生成AIの活用

 では、実際に生成AIはどのようなシーンで活用でき、どのように実践すべきなのでしょうか。新規事業開発のプロセスは、大きく分けて、一般的に以下の4つのフェーズに分けられます。

  1. 事業機会の発見
  2. 事業コンセプト創造
  3. Why us / Why now の定義
  4. 成長ストーリーの構築

 生成AIは、これらすべてのフェーズに活用可能です。たとえば、事業機会の発見では、市場トレンドや競合分析を効率的に進めるツールとして、事業コンセプト創造では大量のアイデアを短時間で生成するクリエイティブなパートナーとして、その力を発揮します。

 本稿では、汎用性の高い3つの活用場面についてご紹介します。

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生成AIの汎用性の高い、3つの活用シーン

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