SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

Biz/Zineニュース

渋谷駅街区計画、渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期の工事に着手し最終章へ

  • Facebook
  • X
  • Pocket

 東急、東日本旅客鉄道、東京地下鉄が推進する渋谷駅街区計画は、2025年5月に渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)の工事に着手し、最終章に進んでいく計画の内容を発表した。

スクランブル交差点からの視点

宮益坂交差点方面からの視点

開発スケジュール・計画の変更について

 同計画は2010年頃から計画の検討・策定が行われ、激甚豪雨による浸水・冠水対策として貯水量約4000㎥の東口雨水貯留施設整備、乗り換え利便性向上のための埼京線や銀座線ホームの移設などを行いながら、2019年に渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)を開業するなど、渋谷駅を起点としたエリア全体の価値向上・まちの課題解決を一体的に推進してきた。

 そのような中で、インバウンド旅行者を含めた、来街者の増加による来街者ニーズの変化、歩行空間や広場空間に求められる機能の多様化など、時代に合った渋谷のまちにふさわしい計画となるよう、進化を続けてきたという。この進化に密接に関わる渋谷駅およびその周辺は、JR山手線・埼京線と東京メトロ銀座線が立体交差。さらには建物とホームが一体の構造物になっているという複雑な環境・構造を抱える中で、各鉄道含む公共交通機関や駅前広場などを安全に利用できるよう度重なる施工計画の見直しを行いながら工事を進めてきたとしている。

 また、駅前のさらなる快適性・回遊性向上のため広場空間と歩行者動線を再編、防災性・安全性強化のための都市基盤施設の変更なども行い、最良となる施設を最短で提供できるよう工程の検討を行ったという。

 これら計画の見直しを踏まえ、2027年度の完成を目指してきた渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)についても、着工および一体的な渋谷駅の整備計画実現に目処が立ち、開発スケジュール・計画を変更することになったと述べた。

渋谷駅の概成と東西を結ぶ多層な歩行者ネットワークの完成(2030年度予定)

 「まちびらき最終章」のはじまりとなる2030年度には、長年にわたる渋谷駅改良工事の中で移設を繰り返してきた通路や改札、階段などの駅設備や駅機能を担う主要施設が概成を迎えるという。3階のJR線および銀座線コンコースの概成に合わせて、銀座線渋谷駅の直上に位置する「4階東口スカイウェイ(仮称)」や、渋谷スクランブルスクエア西棟の西側に整備される「西口3階上空施設(仮称)」の一部が概成することで、渋谷駅を中心とした東西南北につながる、2~4階レベルでの高さとなるデッキ階の歩行者ネットワークが誕生する。

 銀座線渋谷駅ホーム直上に空中回廊として通行可能な「4階東口スカイウェイ(仮称)」が完成し、渋谷スクランブルスクエア中央棟に接続。渋谷駅東口エリアおよび新宿方面・恵比寿方面まで見渡せ、渋谷スクランブルスクエア東棟展望施設「SHIBUYA SKY」とともに渋谷を代表するスポットが誕生する。

 渋谷スクランブルスクエア西棟の前面に約3000㎡の歩行者デッキとなる「西口3階上空施設(仮称)」を整備。JR渋谷駅および銀座線渋谷駅の3階改札と渋谷中央街方面、桜丘方面をつなぎ、渋谷スクランブルスクエア西棟にも接続するという。この「西口3階上空施設(仮称)」は内藤廣建築設計事務所がデザインを手掛けていると述べた。

 また、地上レベルでは、JRハチ公改札前に最大幅員22m、同じくJR南改札前に最大幅員23mの東西を結ぶ自由通路が整備されることで、利便性が高く・開かれた駅空間が誕生。また、東側の宮益坂方面、西側の道玄坂方面へのアクセス性が大きく向上するという。

 これらの歩行者デッキや自由通路の整備により、渋谷スクランブルスクエアを中心としてデッキ上からの渋谷のダイナミックな街並みを楽しみながら、宮益坂上と道玄坂上をスムーズに移動できるようになると述べた。

3階改札前コンコースのイメージ

自由通路のイメージ

スクランブル交差点方面からの視点

宮益坂交差点方面からの視点

渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)完成(2031年度予定)

 2031年度には渋谷スクランブルスクエア第Ⅱ期(中央棟・西棟)が完成を迎える。商業フロアは、完成済みの東棟と併せて1フロアあたりの売場面積が最大約6000㎡の商業施設となるという。

 また、中央棟の10階屋上に各国大使館などと連携したグローバルな文化交流体験を提供する施設「10階パビリオン(仮称)」を整備。渋谷スクランブル交差点や大型ビジョン群に代表される渋谷駅西側の世界でも有名な景色と新宿方面の街並みの両方を見渡す唯一無二の体験ができる空間を提供するとのことだ。この「10階パビリオン(仮称)」は、プリツカー賞受賞など世界で活躍するSANAAがデザインを手掛けると述べた。

全体完成(2034年度予定)

 中央棟・西棟完成後、2033年度には中央棟4階に最先端技術を活用したコンテンツを体感できる施設「4階パビリオン(仮称)」および中央棟4階とハチ公広場をつなぐ、歩行者ネットワーク向上のための縦軸移動空間「アーバン・コア」が完成。「4階パビリオン(仮称)」は、JR山手線・埼京線のすぐ上に位置し、渋谷スクランブル交差点を至近で見渡せるロケーションにあり、先端技術を発信する、渋谷の象徴となる施設として整備するという。デザインは、渋谷スクランブルスクエア第Ⅰ期(東棟)のデザインにも関わった隈研吾建築都市設計事務所が手掛けると述べた。

 このほか、2034年度までには「ハチ公広場」「東口地上広場」「中央棟4階広場(JR線路上空)(仮称)」「西口3階上空施設(仮称)」「中央棟10階広場(仮称)」の計約2万㎡の5つの多様な広場空間も誕生する。この広場空間は、世界有数の大規模ターミナル駅である渋谷駅直近に位置し、非常時の一時避難場所としての機能を持つという。

広場位置図

【関連記事】
JR東日本、高輪ゲートウェイ駅のまちびらきに向け、ショート動画などコンテンツを拡充
JR大阪駅に直結「グラングリーン大阪」先行まちびらき 日建設計がランドスケープファーストな都市を開発
JR西日本グループ、摂津富田駅に無人販売店舗「ハレミル°」をオープン 需要性やオペレーションを検証

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
関連リンク
この記事の著者

BizZine編集部(ビズジンヘンシュウブ)

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング