よりよい意思決定を導くIPインテリジェンス戦略
続いて話題に挙がったのが、IPインテリジェンスについて。この話題の冒頭で、小柴氏は「IPインテリジェンスにおいて特に重要なのが、その定義だと思います」と述べて、TDKの戦略や方針について語った。

「我々はIPインテリジェンスの目的を『よりよい意思決定を導くこと』と定義しています。そもそも、IPインテリジェンスとは、意思決定を通じて事業を成功に導くためのものだからです。だからこそ、担当者はビジネスにも精通し、事業課題を特定できる人材でなくてはいけません。事業課題を特定し、知財・非知財の両面からの分析を行い、わかりやすい提言をレポートにまとめて、よりよい意思決定を導く。このプロセスをサイクルとして回すのが、我々のIPインテリジェンスの取り組みです」
しかし、こうしたIPインテリジェンスの定義をグループ全体に浸透させるのは、実は容易ではない。国や地域ごとに商習慣や事業における知的財産の位置付けは異なる。ましてや、M&Aなどを通じて、継続的に新たなパートナーを迎え入れているTDKグループでは、さらに困難が増すであろう。