スタートアップから不動産インフラへ
イタンジでは「テクノロジーで不動産取引をなめらかにする」をミッションに掲げ、不動産業界に向けた様々なサービスを提供しています。

不動産業界は、紙・電話・FAXといったアナログな手法が多く残る業界です。その中で、イタンジは業界に根差したプロダクトを開発することにより、取引に関わる人々の業務負荷を軽減するとともに、入居者やオーナーなどのエンドユーザーにとってもスムーズな取引の実現に取り組んでいます。
私たちが提供するプロダクトは、単なる業務効率化の手段にとどまらず、業界全体の構造的な課題にアプローチしています。複雑な業務フローをテクノロジーで再設計し、不動産に関わるすべての領域とデータがつながることで、新しい価値を生む──そのような「なめらかな不動産取引」の世界を実現するためのプロダクトは、日本各地の不動産会社様から利用いただけるようになりました。その結果、イタンジは現在“スタートアップ企業”から脱却し“不動産のインフラ”としての役割を担うべきフェーズにあると考えています。
2023年に私がイタンジの3代目の代表に就任した際、真っ先に取り組むべきだと感じたのが、会社の存在意義を言語化することでした。「経営とは何か」「会社とは何か」といった考えを自分なりに整理する中で、ミッション、パーパス、ビジョンは単なるスローガンではなく、組織のすべての判断や行動の前提となるべきものであると強く感じました。
誰が経営者になっても同じ方向へ進めるように
代表が代わることで会社の方向性や存在意義まで変わってしまっては、組織としての一貫性や信頼は保てません。イタンジのような成長フェーズにある組織ではなおさらでしょう。方向性を明文化しておかなければ、事業の領域が広がるにつれ、運営や開発の方針を定める判断基準がブレやすくなるからです。
影響は社内だけに及びません。採用や他企業との協業の場面でも、ビジョンの明確さは大きな意味を持ちます。「ともに実現したいと思える世界観がこの会社にある」「このビジョンの実現に自分も関わりたい」という共感が仲間を集めるからです。逆にビジョンが曖昧な場合、仲間の結束力や持続力を弱めかねません。ビジョンは、ともに歩む仲間を見つけるための磁力でもあるのです。
個人ではなく理念に根差した会社にするためには、ミッション、パーパス、ビジョンの策定と浸透は避けて通れませんでした。誰が経営を担っても同じ世界観に向かって進み続けられる「芯」を持った存在であり続けたい。その思いが、ミッション、パーパス、ビジョンの言語化を始めた原点です。