「修羅場」を「放置場」にしないタフアサイメントの本質
栗原:育成の具体的な手法として、先生は「タフアサイメント(修羅場経験)」の重要性を強調されています。ただ、多くの企業では「現場に送り込むだけ」で終わっているという課題も指摘されています。真に経営人材育成につながるタフアサイメントとは、どのようなものなのでしょうか。
田中:リーダーの成長の約7割は研修のようなOFF-JT(オフ・ザ・ジョブ・トレーニング)ではなく、日々の「実務経験」からもたらされるという研究結果[3]があります。しかし、その経験が単なる「苦行」で終わるか、血肉となる「学び」に変わるかは、経験の「質」と「仕組み」にかかっています。多くの企業が陥っているのは、候補者を困難な状況に「放置」し、精神論で乗り切らせようとする過ちです。
