積極的なM&Aの理由
──はじめにMUSCAT GROUPについて紹介いただけますか?
関口(MUSCAT GROUP):当社は、SNSマーケティングやデータ活用のノウハウを用いてブランドを創出するブランドプロデュースカンパニーです。
関口(MUSCAT GROUP):オーラル美容ブランド「MiiS(ミーズ)」や、電動アシスト付き自転車ブランド「MOVE.eBike(ムーヴ イーバイク)」など、領域の異なる複数のブランドを運営する「ブランドプロデュース領域」と、顧客企業に一気通貫のマーケティングソリューションを提供する「ブランドパートナー領域」の二つで事業を展開しています。
2領域のうち、特に力を入れているのがブランドプロデュース領域です。この領域では、複数のニッチな領域でトップブランドを育成・獲得するニッチトップ戦略を採用し、主要な成長戦略に位置付けています。
関口(MUSCAT GROUP):現在、当社は積極的なM&Aによってブランドポートフォリオを拡張していますが、これもニッチトップ戦略の一環です。高い成長が期待できるメーカーや、既にニッチ領域で地位を確立しているブランドをグループに迎え、自社のマーケティングおよびDXのノウハウでさらなる成長に導きます。
2025年7月、当社は旧社名(株式会社ライスカレー)からMUSCAT GROUPに商号を変更しました。一つの房に数多くの実が成るマスカットのように、グループ内で多数のニッチトップブランドを育てたい思いが、新たな社名の由来の一つになっています。
PMIの効率性がボトルネックになり得る
今江(MUSCAT GROUP):ニッチトップ戦略を進めるにあたり、重要なのがPMIです。PMIとは「Post Merger Integration」の略で、M&A後の経営や業務の統合を指します。
今江(MUSCAT GROUP):私は前職を含めて経営企画部門でPMIに長らく従事してきましたが、MUSCAT GROUPでの実務は特徴的です。様々な業界や業種のブランドでM&Aを実施していることもあり、業務の流れや稼働しているシステム、デジタル化の進捗などがバラバラで、PMIのプロセスもそれぞれ異なります。
比較的、定型的なプロセスでシステム統合が進むブランドもあれば、業務やシステムを深く理解して統合計画を練らなければならないブランドもあります。そのため、まずは統合先の状況を正しく把握し、コミュニケーションを密に取りながらPMIのプロセスを進めるよう心がけています。
──バックオフィス業務における課題を教えてください。
今江(MUSCAT GROUP):PMIにおける業務負担が課題でした。ニッチトップ戦略に基づくM&Aにおいては、PMIをいかにスムーズに行うかが成長の鍵を握ります。
現状、当社がM&Aを実施したブランドは数社ほどですが、今後グループが拡大していく上ではPMIの効率性がボトルネックになり得るでしょう。そのため、当社の戦略に適したバックオフィスの体制を築くことが、私たちのミッションの一つになっています。

