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問題解決に効く「行為のデザイン」とは

「行為のデザイン」の思考プロセス-人がスムーズに機能を利用できるデザインとは?

『問題解決に効く「行為のデザイン」思考法 』

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 ユーザーの目的に沿った複数の行動を時間軸で「想像体験」し、改善点を見つけ、より良い行為を見つけていく「行為のデザイン」。この手法を用いると、企画や商品の持つ問題点が明らかになるため、関係者の情報共有や現状把握がしやすくなり、企業の開発力が上がるという。その考え方と実践法を見ていこう。  前回の記事で紹介した「行為のデザイン」の思考プロセス詳細を紹介する。

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人と人、モノや情報をつなぐ「インターフェイス」とは?

 今回は、第1回で述べた「人の行動に着目して、改善点を見つけて、より良く新しくしていく“行為のデザイン”」の思考プロセスについて、ご紹介したい。

 人が、目的に達するための行為には、必ず「人やモノ、情報」との接点が存在する。この接点において、二者間で互いの作用を伝え合うことが、「インターフェイス」と捉えられている(図1「行為のカード(概念図)」参照)。その関係には、大きく分けると、以下の3つがある。

「行為のカード(概念図)

  1. 人と人
    例)目や口、耳を使う会話、体を使うジェスチャー、視線を合わせること
  2. 人とモノ
    例)手と持ち手、刃先と紙
  3. 人と情報
    例)タッチパネル操作、情報を伝える画面、音を伝えるイヤホン

 もっとも身近で分かりやすいのは、上記3に含まれているパソコンの例だろう。私たちはパソコンを使って、文章を書いたり、デザインしたり、インターネットで情報収集を行ったりする。このとき、パソコンに指令を送って、特定の機能を働かせるキーボードやマウス、タッチパッドを、「パソコンにおけるインターフェイス」と呼ぶ。この分野の進化は目覚ましく、ほんの数十年前までは命令を伝えるために難しいプログラムを打ち込んでいたのが、アイコンができ、マウスができ、さらにタッチパネルや音声認識ができ、誰でも簡単に同じ命令を送れるようになっている。

 このことからも分かるように、すでに二者間でスムーズな意思伝達が行えることは当たり前となり、今や、商品には、人が動きを止めずに機能を利用できるデザインが求められるようになった。ただ、現代では、このように進化したデバイスに振り回され、人間が「デバイスの作法」に従っているようにも思える。私たちが、OSの設定やパスワードの管理、登録に費やしている時間は、けっして少なくはない。

 私は、人とモノは、もっとスムーズに共生できる人間らしい営みの延長で存在するべきだと、痛切に感じる。そのときに何が、人の行為を止めてしまう「バグ(不具合)」となっているのかを、「行為のデザイン」によって精査することが必要なのだ。

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この記事の著者

村田 智明(ムラタ チアキ)

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