HRガバナンス・リーダーズ(以下、HRGL)は、日経225構成企業の役員報酬に関する調査を行いましたので、調査結果を公表した。
同調査は、日経225構成企業の役員報酬制度における報酬ミックス、業績評価指標、クローバック条項の導入開示状況を明らかにし、企業をはじめ多くのステークホルダーに日本のトップ企業の、報酬プラクティスへの理解を深めてもらうことを目的として実施された。主な調査結果は次のとおり。
報酬ミックス(ターゲット構成比)
報酬ミックス(ターゲット構成比)を開示している企業は182社(81.3%)であり、2023年以降横ばいとなっている(図1)。また、そのうち基本報酬、STI、LTIの3つの基準割合を記載している企業を対象に報酬ミックスの平均値を見ると、報酬全体に占める基本報酬の割合は年々減少。2025年は変動報酬比率(STI+LTI)が55.9%に達した(図2)。
図1:報酬ミックス(ターゲット構成比)の開示状況
図2:報酬ミックス(ターゲット構成比)の平均値
業績評価指標の採用状況
1.財務指標の採用状況
STIの支給額決定に用いる業績評価指標として採用されている財務指標上位5種類を見ると、営業利益(89件)や当期純利益(84件)、売上高(52件)といった利益や収益に関連する指標の採用が多く、次いでROE(38件)やROIC(31件)といった資本効率性指標の採用が多くなっている(図3)。利益や収益に関する指標の割合は未だ多数を占めているものの、その割合は横ばいまたは減少傾向。一方で、ROICの採用割合は増加傾向にある。
同様に、LTIの支給額決定に用いる業績評価指標として採用されている財務指標を見ると、TSR(70件)とROE(66件)が特に多く、両指標とも年々採用件数が増加(図4)。一方で、営業利益の採用件数は過去4年間で年々減少している。
図3:STIにおける財務指標採用件数(上位5種類)
図4:LTIにおける財務指標採用件数(上位5種類)
2.将来財務指標の採用状況
STI、LTIの双方において、業績評価指標として将来財務指標を採用する企業は年々増加しており、STIは98社(45.2%)、LTIは94社(43.9%)に達した(図5)。
また、STIの業績評価指標として将来財務指標を採用している企業を対象に、テーマ別(E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)、サステナビリティ/ESG、その他)の採用割合を見ると、Sが49社(50.0%)と最も多く、次いでサステナビリティ/ESGが47社(48.0%)となっている(図6)。経年での変化を見ると、E、S、Gの個別テーマの採用割合が年々増加。
同様にLTIの場合は、2025年はEが55社(58.5%)と最も多く、次いでサステナビリティ/ESGが52社(55.3%)となっている(図7)。経年での変化を見ると、E、S、Gの個別テーマが前年比で増加している一方で、サステナビリティ/ESGは4年間で年々減少。
図5:STI/LTIにおける将来財務指標導入状況(2022~2025)
図6:STIにおけるテーマ別将来財務指標採用割合
図7:LTIにおけるテーマ別将来財務指標採用割合
クローバック条項の導入開示状況
重大な法令・社内規則違反や財務情報の訂正、自社の評価・企業価値を著しく毀損させる行為に対して、報酬の全部または一部の返還を求める規定をクローバック条項という。STI、LTIともに、同条項の導入を開示している企業は年々増加しており、STIでは約2割、LTIでは4割超(図8)。
図8:STI/LTIにおけるクローバック条項の導入開示状況
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