FP&Aは「経営人材の登竜門」──キャリアパスとしての価値
池側:FP&Aという職種が、個人のキャリアにどのような価値をもたらすとお考えですか。

岡崎:FP&Aは「経営に最も近く、かつ現場にも最も近い」という唯一無二のポジションではないでしょうか。ここでの経験があれば、将来的に事業側に戻っても経営感覚を持ったリーダーになれますし、コーポレート側に行っても現場の痛みがわかる経営層になれる。自分自身のキャリアの可能性を飛躍的に広げてくれる仕事だと確信しています。
三木:実際、リクルートではFP&A(事業統括)を経験したのちに事業やコーポレートスタッフの責任者となり、活躍している人が多くいます。数字という客観的な武器を持ちながら、経営と現場の立場の違いを理解し、泥臭く事業を動かす経験は、経営人材をめざす上でも「最高のトレーニング」になると思います。
池側:まさに「経営人材の登竜門」ですね。単に財務諸表を作るだけでなく、事業をどうドライブさせるかを数字で語る。その経験がリーダーシップの源泉になっているわけですね。
多様性が生む「しなやかで強い」ファイナンス組織の未来
三木:もう一つ、リクルートのFP&Aの強みとしてお伝えしたいのが「多様性」です。私たちの組織には多種多様なバックボーンを持つメンバーが集まっています。プロパーとキャリア採用の比率はほぼ同率で、20代から60代まで幅広く、前職も営業、エンジニア、コンサルタントなど様々です。
また、リクルートグループ全体として、2030年度までに上級管理職・管理職・従業員の女性比率を約50%にするという目標を掲げていますが、私たちの組織では、すでにその目標を上回って女性が活躍しています。これだけ多様な視点があるからこそ、数字分析にとどまることなく、多角的でクリティカルな議論が可能になります。
池側:それだけの多様性があれば、今後も多様な人材を集めることができそうですね。
三木:リクルートでは性別や経歴を問わず、各々の「Will(やりたいこと)」に基づき、高い当事者意識をもって取り組める環境(Will-Can-Mustの目標管理など)を整えています。この「多様性」と「当事者意識」の掛け合わせが、予測精度の向上や組織の強靭さにつながっていると思います。
池側:三木さんが先人から受け継ぎ育んできた「事業統括」のDNAが、現代で言う「FP&A機能」として岡崎さんのような新しい世代に引き継がれ、さらにAIや多様性という要素を取り入れて更なる進化を目指している。リクルートのFP&Aは、まさに日本企業が目指すべき一つの「完成形」であり「進化形」であると感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました。

