特殊マウスガードでスポーツ障害を予防
MEMジャパンの永井夏芽氏は、スポーツにおける肉離れなどの怪我の要因が「過剰な食いしばりによる姿勢の変化」にあると着目。独自の特殊製法で作られた装着感の良いマウスガード「winpro」を提案した。
ジー・サーチの3D解析技術を用いて動作中の身体の変化を可視化し、富士通フロンティアーズ(アメフトチーム)の選手らと共に、怪我予防とコンディション管理システムの構築に向けた実証実験を行いたいと意気込みを語った。
アウェイツーリズムでスポーツを「財務的価値」へ
Plaru CEOの大崎雄也氏は、AI旅行計画アプリ「Plaru」を活用し、アリーナやスタジアム周辺における「アウェイツーリズム」の促進と、スポーツがもたらす社会価値の可視化を提案した。
生成AIには難しい独自の位置情報技術やニッチな回遊マップを活用し、試合前後の旅行時間をデザインすることで、地域への経済波及効果をデータとして証明する。川崎フロンターレの羽田氏から近隣住民への配慮について問われると、大崎氏は「独自のルーティング技術により、通ってほしくない生活道路を避けたルート案内が可能だ」と回答し、スマートシティ実現への貢献をアピールした。
アリーナNFTで観戦を「資産」へアップデート
最後に登壇した鎌倉インターナショナルの岡崎修也氏は、テクノロジーを活用した「富士通レッドウェーブ(女子バスケチーム)のアリーナNFT」の構想をプレゼンした。
バスケットコートを細かく区分けし、区画ごとのオーナー権利をNFTとして販売する。自分がオーナーの区画から決勝シュートが決まった際に特別なリワード(選手からのメッセージなど)を提供する仕組みにより、ファンエンゲージメントと新たな収益源の創出を両立させる。富士通の髙平氏からスポーツベッティングに繋がる懸念を問われたが、岡崎氏は「ルールの設計次第でリスクは防げる」とし、テクノロジーを用いた健全なエンタメ化の可能性を力説した。
栄えある各賞の行方と今後の展望
全8社の熱気あふれるプレゼンテーションが終了し、審査員による選考を経て、各特別賞が発表された。
- Athlete First賞:ロッケン
- Future Field賞:Plaru
- Business Idea賞:Solve AI
- Sports Wellness賞:鎌倉インターナショナルFC
- Idea・Passion賞:グレースイメージング
- オーディエンス賞:グレースイメージング(※Idea・Passion賞とダブル受賞)
審査委員長を務めた富士通の常盤氏は、「審査員の皆様と喧嘩になりそうなほど揉める、苦渋の決断だった」と選考の裏側を明かしつつ、「本日ご登壇いただいた企業以外にも素晴らしい提案が多くあった。今後も皆様と一緒に、日本のスポーツ、企業スポーツを盛り上げていきたい」と総括した。
本ピッチで選ばれたスタートアップとは今後、富士通社内での継続検討を経て、2026年4月以降の実証開始に向けた具体的なディスカッションが進められる予定だ。テクノロジーとスポーツの融合がもたらす新たな熱狂に、引き続き注目が集まる。
