モノやサービスがミクロ単位でシェアされる時代-その裏側で連動する「お金の動き」を支える
“Fintechの中核”と評される「ブロックチェーン技術」。その理由について、増島氏は「経済活動を大きく捉えると見えてくる」と語る。
近年、世の中の仕組みは、分散型または非中央集権型へと大きく変化している。情報やコミュニケーションはもちろん、IoT や自動運転によるモノや施設のシェアリング、自然エネルギーやスマートグリッドで実現するエネルギーのシェアリングなど、誰もがその変化の潮流を体感しているはずだ。その変化のためには、まずはネットワークのスマート化技術が必要だが、加えて見逃されがちな条件として、対価である「お金の移動」も重要になってくる。
増島氏はこれを「実態経済の裏表」と表現する。たとえば、AからBにモノやサービスが動くということは、BからAにお金が動いているということ。スピーディでミクロ単位でモノやサービスが動かせるとなれば、それと”同時に自動で”お金も決済できる必要が生じる。それを実現するのが「ブロックチェーン技術」というわけだ。
「裏表がスムーズに動けば、電力1KW、音楽一曲といったミクロ単位でのシェアリングも可能になり、ビジネスイノベーションの原動力となる」と増島氏は力説する。
しかし、お金が動くとなれば、そこには「契約」が必要だ。 AからBへの送金指示に条件をつけ、満たされたら決済されるとすれば「契約」になる。それがブロックチェーンの中で行われる「スマートコントラクト」だ。